夏休みの宿題ではないが、この夏は以前に買ってそのままにしていた井上靖の『孔子』を読んでいる。ハードカバーの400頁もある本。読むといっても本の内容が難しく、わからない文字が頻繁に出る。手元に電子辞書を置いて読めない文字を手書き入力して確かめる。それでもどうにか3分の1くらいまで読んだ。この本は井上靖の最後の著書らしく、本にはせてある宣伝用のビラでそれを知る。この本を買った頃は世の中シルクロードブームの真っ最中。今、改めて本を確かめると平成元年の出版となっている。ということは約30年前のことで西暦では1989年になる。その3年前に初めて中国へ出かけた。当時は今、熱中しているモノ・コト・ヒトとは比べられないほど「中国」や「中国語」にのぼせていた。どういっても初めての中国旅行から4度続けて中国に出かけている。
中国領シルクロードは海外旅行3度目の1987年に出かけた。中国語を習っていた友と一緒にツアーに参加する。どういってもこれまでの海外旅行で最高に楽しかったのが、シルクロードとも言えるくらい旅の間、はしゃぎまわっていた。そうそう、トルファンの葡萄棚の下の民族舞踊鑑賞では日本の「敦煌」の映画クルーの人たちとも一緒だった。添乗員が原田大二郎に話しかけて、それを知った。写真も一緒に写った…。
当時の中国は今とは違って(今もそうかもしれないが)、飛行機の遅れは半端なくあった。敦煌に飛ぶまでの飛行機だったと思う。4時間ほど空港に待機した。座るところもなく、皆でコンクリに円になって座って待機したこともあった。その時の旅の参加者10数名の内、大半の方々は遠くへ旅立たれて会えなくなった。ただ一人は今でも年賀状のつき合いがある。
シルクロードブームの最中、当時はDVDでなくビデオテープが全盛だった。旅の模様は参加者から送られたビデオテープがある。参加した人たちとはその後、下関や博多で会ったこともあった。また阿蘇山の草千里に連れて行ってもらって馬に乗ったこともあった。他にも四国から3人で参加された人たちと新居浜で会ったこともある。今、思い出しても楽しい旅の思い出。この時の様子をブログのように書き留めておけばよかったと悔やまれる。
『孔子』を読みながらいろいろと感慨にふける。いつも軽い本を読んでいるので『孔子』はまるで古典を読んでいる気がする。それくらい、読むのが難しい。今年の夏は豪雨災害と暑さ、それにプールが閉館で泳げないため気持ちは不完全燃焼。31年前の夏のあれほどモノ・コト・ヒトに熱中していた頃とは気分も下がり気味。この本を読んで再度、当時の感情を取り戻す。
ブログ投稿中、旅行社からFAXで申し込んだ熊野古道の確認電話がある。ぐずぐずしていてはいけない。そう思った。しかし、先日来から南木佳士の本に紹介される丘澤静也の『下り坂では後向きに』、サブタイトルは「静かなスポーツのすすめ」を読むと、自分も人生の下り坂を生きていると感じる。ナニゴトもムキにならず、これまで通りのやり方で歩を進めていく。これでいいと思えてきた。それにしても早くプールで泳ぎたい!
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
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