2011年10月9日日曜日

オープンカレッジ

昨日は午後から市内のホテルであった拓殖大学のオープンカレッジ「迷走つづく日本外交-近現代史の視点から」を聞きに行った。講師は拓殖大学学長の渡辺利夫氏。

百メートル道路に面したホテルの会場に到着するとすぐに渡辺氏の講演が始まった。渡辺氏を知ったのは1995年からひろしまアジア塾で8年間学んでいた時である。当時の塾長が氏と懇意なことからたびたびゲストとして講演されている。それ以来久しぶりに話を聞いた。

氏は以前は東京工業大学の教授であったが、現在は拓殖大学の学長である。

少子高齢化で学生を確保する目的もあるのか、もらったその大学案内はすばらしいものだ。さらに氏の書かれた著作も配られたりして…。講演開始までに入った人は各テーブルに水とコーヒーも配られていた。大学側の気の使い方は相当なものだと知る。

氏はアジア経済、特に中国経済を専門とする。パンフで講演を知ったときはもう見逃せない…と思ったほど楽しみにしていた。

期待通りすばらしい内容の講演だった。

氏は今の民主党政権のふがいなさを1902年に結ばれた日英同盟と現在の日米安全保障条約と結びつけて議論している。

日英同盟の頃日本は膨張主義に走った。それは中国を除くほとんどの大国がそうであったように。ところが、中国はまさに今、その膨張主義に走っているという。

中国は共産主義の国である。7000万人ともいわれる党員をまとめるトップは他を排除して内をまとめねば異質な社会、中国を纏め上げることは出来ない。日本はほぼ同質社会でありまとまりやすい。異質国家中国はそのための手段として反日、嫌日という手段にでて国民の眼をそらし内をまとめようとする。

尖閣諸島の問題でも日本政府の取った態度は異様だと批判。それは政府のみならずジャーナリズムもそうだと。何も考えず行動する民主党は大衆社会に迎合し、緩慢であり、その日暮らしの政策で迅速性に欠けると…。

反中、嫌中ばかりいわず、もっと中国を理解しなければならないという。氏は決して反中、嫌中をとらず、むしろ親中であり、中国の文化など理解しようとしている。

日英同盟の廃棄で日本が悪い方向へ向かった轍を踏まず、日米安全保障条約を守り確固たる日米同盟を…と呼びかける。

日英同盟が結ばれていた日本は膨張主義に進んだ。だが、その当時の日本は「パワフルで調和の取れたふくよかな時代」「大正デモクラシーが花開いた時代」だという。いい時代だと。

今の中国は「後れてやってきた帝国主義国家」と考えれば古い自画像を見ているようだというのである。

その今こそ日本の指導者の資質を問うという。今こそ日英同盟で有利な役割を果たした日清戦争時代外務大臣を務めた陸奥宗光を手本にして行くべきだと…。歴史に学べと…。

もらったレジュメは下記のようであった。

Ⅰ 異様なる日本の外交 
ミュンヘン会談としての尖閣諸島中国漁船衝突事件

Ⅱ 後れてやって来た帝国主義国家としての中国
「理不尽」なはずはない 反日愛国主義 ひるむな日本

Ⅲ 堅固なる日米同盟をー日英同盟廃棄の轍を踏むなかれ
日米同盟 日露戦争と日英同盟 「坂の上の雲」よ

Ⅳ 指導者の資質を問うー陸奥宗光よ再び

陸奥宗光の本は読んだことはない。そして司馬遼太郎の『坂の上の雲』も。2人の『坂の上の雲』、『蹇蹇(けんけん)録』を読もう!

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