2011年10月8日土曜日

「午後の汀」

昨夜は「午後の汀」と題された東儀秀樹と古澤巌のTOUR 2011を聴きに呉市文化ホールに出かけた。

チケットを購入していなかったので早めに家を出る。呉線に乗るのは久しぶり。呉駅に降りるのも久しぶり。以前知人と行った大和ミュージアム以来だ。それでも呉駅のミュージアム側は新たな建物も増えにぎやかさを増していた。

コンサート会場は呉駅から歩いて10分くらい。広島市内であるコンサートに比べても時間的には同じようなもの。とはいっても夜のにぎやかさは広島市内とは比べものにならない…。

6時半にコンサートは始まった。そのはじまりのにぎやかなこと。何か違う…と。大音響と華やかなスポットライト。舞台にはピアノ、キーボード、ドラム、ベースの演奏者に主役の2人。

まだクラシックに興味がなく、ニューミュージック全盛時、そのコンサートによく出かけた。まるでその感覚である。久々の…。

もともと古澤のヴァイオリンを聴くのが目的だった。

会場正面の上では落ち葉を4枚広げた一番大きな葉に映像が映し出される。

はじめは何か違うと思っていた。それがいつの間にかその雰囲気に吸い込まれ…。同年齢という主役の2人は3年前から全国ツアーを開始。古澤も10数年前からPOPなコンサートを演奏しているという。

POPなだけあって演奏の合間にはおしゃべりが入る。それもまたおもしろい。古澤の演奏スタイルもまるでタンゴを踊っているかのように軽やかに…。東儀の篳篥はアンプを通しているためサックスとトランペットを合わせたような音色に聴こえる。時にはオーボエとトランペットのようにも。

タンゴといえばピアソラが好きだ。ピアソラのタンゴはヴァイオリンで演奏されることが多い。昨夜はピアソラの演奏はなかった。だが、ほとんどタンゴかジャズを思わせる演奏だ。

2人の衣装もそれに合わせた感じであり、古澤の頭には帽子やバンダナが…。

前半の演奏曲目は今年6月にリリースした曲が演奏されていた。何しろプログラムがない。演奏曲目ははじめにもらった宣伝のチラシに頼るのみ。1曲が短いので演奏曲目は相当数になると思う。

休憩を挟んで東儀が狩衣(貴族の装束)をまとって客席の通路の端から篳篥を吹きながら登場。遅れて数分、古澤も同じ格好をして舞台から登場し、ヴァイオリンを弾く。その姿を見て会場はドッと沸く。

その後は衣装も今風の若者のPOPスタイルになった。

演奏曲目も後半に入ると東北の震災に絡む淋しい曲になった。そこで篳篥だけの「ふるさと」が演奏された。この曲は聴くのがつらい時もある。アサちゃんの最期を思い出させる。昨夜もそうだった。

後半は主役の2人がそれぞれの曲をソロで演奏した。そのときは古澤もクラシック音楽を演奏した。

だがまた2人が揃って演奏に入った頃には手拍子も大きくなり、ほとんど全員総立ちに…。

もう何十年ぶりかで盛り上がって…。2時間半の演奏は終わった。

いつもクラシック音楽ばかり聴いていた。たまにはセミ・クラシックのような昨夜の音楽もいいものだと思う。

これからも機会をみては演奏会場に足を運ぼう。

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