2011年10月29日土曜日

『旅の途中で』

メールを送信しているとチャイムがなる。まだ10時前というのに…と思って出ると、地元の信用組合の支店長だった。

金融関係の人に来てもらうほど我が家は金持ちではない。ましてや働いていない。給料やボーナスは当然入らない。何かの間違いでは…と思いながら話を聞く。手には紙袋を持って…。

紙袋から本とチラシを取り出し、その信用組合の健全性をアピールする。取り出した本は『財界』11月1日号。その本の中にその信用組合の記事が掲載されており、安全性をさらにPRする。

帰り際、支店長は持っていた袋の中の菓子折りとその本とチラシを置いて…。土曜日というのに支店長自ら歩くとはご苦労なこと。

菓子といえば3日間、続けてもらう。一昨日は京都の菓子1箱、昨日は近くの人が市内で並ばないと手に入らないというバターケーキ1箱、そして今朝である。

頂き物はありがたいことなのかもしれない。でも一人なのでそんなに食べられない。

今朝はアサちゃんの長女夫妻が塀の工事の打ち合わせでやってくる。そのときもらったものを渡そう。いつも口に入れるのはアサちゃんのひ孫たちである。

メールの送信といえば、途中来客があっていい具合に送信できたかどうか疑わしい。

今朝のメールの送信先は信奉している本の著者で弁護士さんへの返信である。その本の記事を20年弱手帳に挟んでいた。

最近、毎日新聞記者の近藤勝重の本を読む。その人の本の中に時に高倉健の話が出てくる。それに影響され高倉健の本を読んだ。『旅の途中で』(新潮社、2003年)。その本の中で高倉健も同じようなコトをしている。

「僕は撮影の合間や待ち時間に、よく本を読んだりしています。…大勢のジャーナリストの方に、背筋がピンとなるようなお言葉をいただいて、それをみんなコピーをとって台本の中にはさんで――実は今でも手帳にはさんでいるのですが――読んでいました。そうやって、一生懸命自分の心に鞭を打ってるんだと思うんです。自分の心を癒すのではなく、間違いなく鞭だと思います。…」(133-134p)

これほど名を上げた人でも謙虚な姿勢なんだ…と感動してしまった!

他にも読んだ本に赤で傍線を引っ張っていると述べている。それは木村久邇典『男としての人生 山本周五郎のヒーローたち』の中から引用した次の言葉である。

「『苦しみつつなお働け。安住を求めるな。人生は巡礼である。』すさまじい言葉だと思います。『人間の真価は棺を覆うた時、彼が何をなしたかではなくて、何をなそうとしたかで決まるのだ』…当時迷っていた自分が、こうした言葉に励まされ、勇気を貰っていたんだと思います。何をなしたかではなくて、何をなそうとしたか。」(157p)

いつも思う。名誉や地位を得た人でもそれにおぼれることなく長く皆から愛されている人はやはりどこか違う、と。自分を奮いたたせているんだ…と。

凡人はさらに見倣わなくては…。

0 件のコメント:

コメントを投稿