2023年9月1日金曜日

『英雄児』

 やっと涼しくなった、と思うのもつかの間のようだ。お昼になれば雨も上がって31度になるとか。また明日からの予報をみても依然として35度前後の日々が続く。今年の暑さは史上一番の暑さのようだが、今年以上の暑さがこれからも続くと思うとこの先が思いやられる。

 以下、『英雄児』 (司馬遼太郎 講談社、2007年第1刷 『王城の護衛者』に収録)から気になる箇所を記した。なお河井とは河井継之助のことである。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★「おれという人間は、自分の一生というものの大体の算段をつけて生きている。なるほどおれの家は少禄だし、おれの藩は小藩だが、小藩なだけに将来、藩はおれに頼ってくることになるだろう。なるほど同じ一生を送るにしても、婦女に鉄腸を溶かしてしまうのも一興かもしれぬ。しかし人間、ふた通りの生き方はできぬものだ。おれはおれの算段どおりに生きねばならん」その算段というのは、おそらく自分をして自分の中に英雄を作り上げることを指すのであろう。十七、天ニ誓ッテ輔国ニ擬ス、という河井の自作の詩句のとおり、この男はこの目標のためにさまざまな工夫をかさねているらしい。(297-298p)

0 件のコメント:

コメントを投稿