2023年9月21日木曜日

『「司馬さん」を語る』

 『「司馬さん」を語る』を読んでいる。サブタイトルに「菜の花忌シンポジウム」とあり司馬遼太郎記念財団が編集。今年の2月に第1刷を文藝春秋から出版している。巻末に第1回から昨年までの第25回「菜の花忌シンポジウム」の一覧が掲載され、その中から7回分を除いた大半を1冊にまとめたのがこの本である。昨年末、司馬遼太郎記念館友の会に入会した。これからは記念会誌「遼」で読むことができそうだ。

 まだ半分弱しか本を読んでいないがシンポジウムに参加した田辺聖子は『韃靼疾風録』をたびたび話題にしている(88p、111p)。また出久根達郎は「司馬さんがデビュー作の『梟の城』からずっと書いてらっしゃるように、人間は志をもって生きなければだめなんだと。夢をもち、志をもって生きる。それは男でも女でも、この姿勢はいつの時代も変わらないメッセージだろうと思います。有名人だとか、大きな事業をなしたとかではなく、歴史に名を残さなくても誠実に志をもって生きた。これが司馬文学のバックボーンですね。」(121p)と。さらにシンポジウムの司会者である古屋和雄は「旅に行かれるときどういう思いで行かれたかという司馬さんの文章があります。『ガイド 街道をゆく西日本編』では、『私の旅は、いつも卒然としている。まず書斎で、古ぼけてぼろぼろになった分県地図をひっくりかえしてみる。ここへ行きたいと思い立つと、その部分のこまかい地図をとりだしてきて拡大鏡で見つめる。……』……地図を見ながら思いをひろげたという感じがします。」(129p)。

 ここまで読んで『韃靼疾風録』『梟の城』『ガイド 街道をゆく 西日本編』の3冊を早めに読もうと図書館へ予約を入れた。また『ガイド 街道をゆく 西日本編』があるからには他の地域もあるはずとネットで調べると西日本編のほかに近畿編、東日本編の2編があった。これはすぐには読めそうにないので予約前の予約かごに入れておく。

 この本の残り半分強を読み終えるころには、多くの読みたくなる本が出てくるに違いない。それにしても出久根達郎のいうように「夢をもち、志をもって生きる」は大いに共感する。これがあるから司馬作品を読んだ後の気分が爽快になり、読者をひきつけるのかもしれない。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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