2022年3月21日月曜日

「愛と異端のシルクロード」

 昨日は補欠選挙の日。選挙を終えて会場を出ようとするとNHKの出口調査の人から選挙について聞かれる。タブレットを持った係から10項目くらいの質問に応答した。選挙期間中の世間のうるさいこと、今朝はやっと静けさを取り戻す。出口調査をされるのは初めてだった。
 
 NHKのBSで「愛と異端のシルクロード」を見た。番組HPによると「長い間、撮影がゆるされなかった中国・雲岡石窟。5世紀、東西文明を融合させた圧倒的な美の造形から、シルクロードの覇者となった謎の民の夢と若き后の愛に迫る! 中国四大石窟のひとつ雲岡石窟。東西1kmの断崖に254の洞窟が穿たれ、壁面に5万体に及ぶ仏像等が彫られている。世界的にも稀な立体造形の美の殿堂だ。これは『鮮卑』という謎の民の知られざる偉業。北方の遊牧民が、5世紀、中国を統一するため、シルクロードを行き交う東西文明を融合させながら新たな文化をつくろうとした。その美に潜む、異端の王の夢そして聖母子の愛が、中国の著名な女優・趙濤さんの案内で浮かび上がる」とある。

 気温マイナス20度の中での撮影でテレビ画面にも雪がちらつく。12回ほど中国に出かけているが雲崗石窟へは行っていない。「鮮卑」という民はオロチョン族を起源とし、理想郷をつくるために中国統一を図ろうとした。中国の最初の王朝である北魏の初代皇帝は鮮卑の拓跋珪(たくはつけい)。「皇帝即如来」(皇帝すなわち如来)として254の洞窟を穿って、その壁面に5万体の仏像を彫刻した。これは第20窟を見るとわかるとか。
 
 第21窟は座像、第18窟は第3代皇帝の立像がある。敦煌の石窟は粘土で作られているが雲崗石窟は岩を削って穿った。254の雲崗石窟は女性をモデルにしている仏像が多い。皇帝の母となる女性が子供を産むとその女性を殺した。そして殺された女性は美しい仏像となる。

 第9窟には第4代の妃である馮太后(ふうたいごう)の仏像が彫ってある。馮太后は子を毒殺し、義理の孫を養育して27歳で祖母になった。馮太后は農民に戸籍を与えており、東アジアの律令制は馮太后の影響を受けているとも言われている。
馮太后

雲崗石窟は段階的な表現があり雲崗様式と言われる

第6窟には民族的な融合(不二)が見られる
 
 第6窟には民族的な融合(不二)が見られる。馮太后は漢民族と鮮卑の結婚を認めた。その後、北魏王朝は滅亡し孝文帝が北魏から洛陽に遷都すると竜門石窟に多くの仏像群が造営された。
洛陽にある竜門石窟

 洛陽の竜門石窟へは30年余り前に出かけている。敦煌石窟へも出かけているが雲崗石窟へは出かけていない。いつかコロナ禍前のように簡単に外国旅行ができるようになれば雲崗石窟を見ることができるかもしれない。が、今の時点ではどこへ行くにも無理という気がする。

 今やコロナ禍だけでなく世界のあちこちで紛争や天災が絶えない。そんななかで悠長にテレビで見る「愛と異端のシルクロード」はなんと気持ちが落ち着くことだろう。以前ならばわけなく旅行に行けたのに、と思うといろんな面で残念としか言いようがない。せめて旅行が再開されるまで元気でいなくては、とわが身に言い聞かせよう。なお、画像はテレビ画面から写真を撮った。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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