2022年3月24日木曜日

” Canción Mixteca”

 先日、色川大吉の『わたしの世界辺境周遊記 フーテン老人ふたたび』を読み終えた。その中に南米を旅した際に聞いたいくつかの曲名が出てくる。その一曲に” Canción Mixteca”がある。ローマ字表記で曲名を探して見つけるまでは日本語の曲名でこの曲を探していた。どうしても知りたかったがその時点ではどんな曲かわからなかった。ところが昨日、色川大吉の20余年前の著書である『フーテン老人世界遊び歩き記』(岩波書店、1998年第1刷)を読んでいると” Canción Mixteca”(ミステカへの道)とローマ字表記がある。再度、ローマ字表記で動画を検索すると見つかった。なお、” Canción Mixteca”の”Canción” は「歌」の意で”Mixteca”は「メキシコの先住民であるミシュテック族(の人)」の意のようだ。

 この曲の日本語歌詞は以下のとおり。
 
 生まれ故郷から なんて遠いところにいるんだ
 どうしようもない懐かしさで いっぱいになる……
 ああ 太陽の土地 お前に会いたい
 なんて遠くにいるんだろう 光もなく愛もなく(145-146p)
 
 南米音楽はいずれも激しさの中に何処か切なさが漂う。この人の本を2冊読み終えると何が何でも南米へ、と心がせかされる。アルゼンチンへ行きたい。そして南米ではないがメキシコへも行きたい。最近のマイブームはつかの間の色川大吉ブームになった。なお、フーテンと名乗る著者は寅さんを意識している。

★寅さんは精神病でも老人でもないが、定職をもたず、ぶらぶら暮らしている。山田洋二監督がカタカナで「フーテン」と名づけたゆえんだ。寅さんこそ「昭和のフーテン」の代表、押しも押されもしない有名人だ。ただ、行動範囲は国内に限られていた。これからの話は世界中の遊び歩き記だから、「平成のフーテン記」だろう。「昭和のフーテン庶民」と「平成のフーテン老人」の遊びくらべとなるか。(3p)
 
 今さら自分の生き方をどうこう言ってもここまで生きてくるとどうにもできない。が、この人の生き方にあこがれはある。もっと早くこの人を知っていれば、と悔やまれる。が、それも今となっては仕方ない。せめてこの人の著書を読んで刺激を受けよう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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