今日は一日雨が降りそうだ。咲き始めた桜も雨が止めば一気に開花するだろう。昨日、友だちからランチに誘われる。お花見を兼ねてのランチとなりそうだ。が、コロナが気になる。昨日の県内の新規感染者は42日ぶりに1000人を超えている。コロナに気をつけながらランチを楽しもう。
以下は先日読んだ『わたしの世界辺境周遊記フーテン老人ふたたび』(色川大吉 岩波書店、2017年第1刷)から気になる箇所を抜粋した。「カンシオン・ミステカ」の曲は先日ネットで見つけた。が、「ガンガ賛歌」と「大地の歌」はどんな曲かわからない。ただ、曲名だけを記そう。
最後に記した「足腰のしっかりしているうちに、大陸の未知の土地をたずねよう。もう、五年しかないのだよ。たったの一ハ〇〇日間だ。日本の男の平均寿命の歳まで。もうすぐなのだ」のくだりはなんか身につまされる。あと五年、と著者は自分自身の活動期を冷静に見ている。しかし、実際は昨年の秋に96歳で亡くなられた。自分自身、あと何年活動できるか考えたこともない。が、母が生きた95歳までは元気でいたい。とはいってもどこへでも旅行できる年齢はそこまでは無理!?というか体力が衰える前に気持ちが萎えたら、とその方が怖い。そのためにも心身ともに元気でいなくては……。それには水泳が一番かも……。泳ぎの再開はさていつ!?
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
★「そのなかでも心にしみるのは「カンシオン・ミステカ」だ。(10p)
★「ガンガ賛歌」が流れていた。(16p)
★わたしはインドのことはなにも知らない。まったくの異邦人だ。老いてもこの人たちのような帰着すべきところがあるとは思えない。ただ命尽きるまで、このまま行くしかない。人は死んだらどこへゆくのか。あらためて自問させられる。(18p)
★次の夜、わたしたちはガヤの駅から夜行の特急列車でカルカッタに向かった。列車に乗り込むと、名画「インド”大地の歌”」のテーマメロディが流れた。(19p)
★第十四代法王は中華人民共和国のラサ侵攻を受け、一九五九年三月、蜂起、抵抗したが、結局ラサを脱出し、ヒマラヤの天険を越え、インドに亡命した。結局北インドのダラムサラに亡命政権を樹立し、今に至っている。このように十九世紀以降は受難の連続であった。そうした苦難を乗り越えてきた法王であればこそ、同じ仏教宗派の民衆の支持が大きいのであろう。ラサにいるだけではわからなかったことが、ラダックにきて一層深く理解できた。もともとチベットは中国ではなく、ラダックはインドではないのだが、政治的に今そうされていること、それぞれの独自性、異質さ、民衆の心情が侵されているということの不条理がよくわかった。ただ、今のダライ・ラマは武力反攻をよびかけるのではなく、ひろく世界の世論に訴える平和外交を貫いている。そのことによってさらに国際的な支持を集め、ノーベル平和賞を受理されるに至っている。(53-54p)
★ゲルク派のラダックのそれより、ブータンの方がわたしには洗練された優雅な芸術性をもっているように感じられる。思えばヒマラヤ仏教は、ブータン、シッキム、ネパール、ラダックと、地域により教派に異なる表現をもつが、共通の根はすべてチベットにある。それは深遠な仏教の宇宙観や教義を、演劇行為を通じて大衆に直接に伝達するものなのであろう。(58p)
★親しい二人の旅慣れた女友達から、ベトナムへ行かないかと誘われた。……連れていってもらうことにした。二〇一五年の夏のことである。なにしろ、こちらは正真正銘の「フーテン老人」、日ごろ杖を使わないと散歩もままならぬというヨレヨレなのだ。だから、飛行機の予約や宿や車の手配などもいっさいお任せだ。わたしはただ、ベテランの二人についてゆけば良いだけにしてもらえた。四、五年、海外に出ていなかったので、パスポートの期限も切れていた。そしたら、ヨーコ君が旅券の発行所にも同伴してくれた。わたしはそこで、一〇年旅券という長期のものを出してもらった。つまり、満九十九歳まで、世界中、どこにも行けるようになったのである。これで出発の日を待った。(117-118p)
★旅の記録を探して日記を調べていたら、一九六九年南米一巡の旅のときのことかと思われるが、こんな走り書きにぶつかった。自分で自分に言い聞かせるような、繰り言とも覚悟ともとれるような、走り書きだった。本音なのであろう。
「元気なうちに歩きのこした世界中を旅行しよう。足腰のしっかりしているうちに、大陸の未知の土地をたずねよう。もう、五年しかないのだよ。たったの一ハ〇〇日間だ。日本の男の平均寿命の歳まで。もうすぐなのだ。もう、五年、なんとか元気で。海に、山に、氷河地帯に、砂漠地帯に旅して、生きていることをたしかめたい。こころの通いあうほんとうの友と。……だから、これまで維持してきた体力をもとに、最後の五年を自由に勝手に生きたいのだ」(143p)
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