日本画教室の打ち上げは楽しいうちに終わる。打ち上げ場所はホテルグランヴィア広島の煌蘭苑。20数名の個室が新たに設けられたらしく、早めに席を予約されていた。これから忘年会シーズンなのでこの部屋の予約もすぐに埋まるだろう。落ち着いた部屋で和気藹々と会は終わる。
今回は先生が日本美術院の「院友」になられたお祝いも兼ねる。また、生徒さんの中に長く日本画を習われ、何度も県美展などに入選されているご夫妻がおられる。その人たちは日本画の作品展開催と同時期に二人展を開かれた。それはご夫妻の古希のお祝いでもあった。
食事後にはがきサイズに描いた絵の交換会がある。受け取ったのはなんと、その旦那さんの絵だった。家の庭に黄色く色づいた一本のイチョウの木を描かれていた。添えられたメッセージには「これからも精一杯楽しみましょう!」とある。これは毎日自分に言い聞かせている言葉だ。
自分の描いた落ち葉の絵は、これまたいつも県美展に入選される人に渡る。どういってもこの会で一番下手な絵が一番うまい人の手に渡るとは…。本当に申し訳ない。それでも添付したメッセージを感情をこめて読んでくださる。これを聞いて先生は「何枚も落ち葉を描いてた…」とフォローしてくださる。後で受け取った人から「何度も描いたよね」と言ってもらう。それでも、今になって余りの下手さ加減に恐縮してしまう。
乾杯の音頭は某男性。その方はダ・ヴィンチの言葉を話される。詳しくは覚えていないが内容は「画家は万能でなければならない」「絵を習う人は師を凌ぐようにならなければならない」というようなお話だった。話された人は本か何かでこれを読まれたのだろう。ダ・ヴィンチの本を読んだことがない。先ほどネットで調べるとこの言葉はわからなかったが多くの名言がある。
音頭を取った人は絵の隅に「糀」とサインされている。受け取った人は誰の絵かわからない。誰、誰?と聞いても返事がない。先生はしきりに「誰の絵?」と思案の挙句「糀」をかけた名前を思い出してやっと誰の絵か判明する。ダ・ヴィンチを話された人の絵だった。
20余名が参加した日本画の打ち上げ。どういっても参加者の年齢が高い。横の人は79歳と84歳の人だった。皆さん、絵を習って20年以上の選手で一番下っ端とはどういっても絵のうまさが違う。そして絵を描くのが好きな人たちばかり。まだ絵を描くのが好きとまでに至らない。ただ、いつか自発的に絵を描くようになればそれでいいと思っている。それはいつの日?それでも、この頃やっと次はこんな絵を描こうとの欲が出てきた。これだけでも自分にとっては上出来!
他にも10年と15年習われている人に先生の絵が贈呈された。来年のこの頃は私も絵を習って5年になり、先生の絵を頂けそうだ。宴も終わるころ先生の絵が入った来年のカレンダーをいただく。ありがたい!
最後に落ち葉のメッセージをメモとして記そう。渡したメッセージにはピアニストの名前は書いていない。
「『年を取ると美しく成長する』、92歳のアメリカのピアニスト、ルース・スレンチェンスカさんの言葉です。緑の若葉も美しく成長して赤く染まり、美しい落ち葉となるのです」。
0 件のコメント:
コメントを投稿