自分にふさわしい本を見つけた。『質素な性格』(吉行和子 講談社 2011年)。読んでいても面白い。エッセイなのですぐに読める。著者は家の掃除は好きだが、食事を作るのは嫌いだとか。どっちも好きではないけどしいて言えば食事を作るほうがいい。
それはともかく、来年から受講している講座の受講料が口座引き落としになる。この知らせが昨日届く。手始めに事務手続きとして通帳と印鑑が必要とのこと。
無職となって早12年。毎月の収入は年金だけ。金融機関もほとんど用がなくなる。ところが、通帳と印鑑の保管をおろそかにしすぎ。
勤めていたころ、銀行関係は母に任せていた。そのためか、印鑑と通帳がどうなっているのかわからない。今年春も某銀行で印鑑が違うと指摘される。きちっと確認できるよう収めていればいいものを時が経つといい加減にしてしまう。
昨日は引き落としの印鑑と通帳を確認するために銀行に行く。ところが、本人確認の健康保険証がない。持って行ったはずなのに、慌てていたのか人の名刺を持参していた。再度…と思っていたら暗証番号で本人確認がOKだった。通帳1冊に印鑑2個を渡すと正しい印鑑を教えてくれた。
係りの人曰く「これだけですか?」。そう、このことのために銀行に来たのかと言いたかったみたい。それにしても、終活まではしなくても日々のことはちゃんと記録しておこう。
今日は午後から修了した大学の研究会に出席。参加する恩師の人たちを知りすぎているため、少々気恥ずかしい。だが、ここは勇気を出して出席。今日の出席を電話で話した人とは数年ぶりの再会となる。
年齢は2歳上。若い頃、博士課程前期を修了されて大学で教えておられた。ところが今は博士課程後期で学ばれている。これまでお忙しくて出席できないと話されていた。今回は出席される。
もしかして単位を取得されたのか。それにしても今でも論文に明け暮れておられる。
錆びついた頭に喝を入れてもらうためにも今日は勇気を出して出席しよう。
以下は吉行の本からの抜粋。
「おしゃれ」
※私の勝手な自負を申せば、以前はキラキラさせることで元気な自分をアピールしていたが、今はその必要はなく、「私の中味はキラキラを失っていません、だから着るものは目立たせなくていいのです。と、言っているつもりです。心の中はいつもキラキラしていなくては。60p
「旅は元気の素」
※「旅」は必要欠くべからざるもの、です。私の心の扉が次々と開いていきます。こんなところにも扉があったのかと、自分の体内なのに気が付かない、それを知らせてくれるのが旅。知らないことを知る、見たことのないものを見る、景色も人の顔も、驚くことが多く、その驚きこそ、元気の素。78p
※すべてのこだわりから解放されて過ごす時間、これが大切です。そして、空っぽになって帰国して、また新たに現実生活をはじめる。…新しく積もった垢は、また掃除しに行く、それが私の一人旅です。84p
「母と旅する」
※ある年、いつものように年の終わりに1年のアカを洗い流そうと、ちょっとメキシコに行ってくるからね、と母に報告すると、「私も行く!」と突然言われてしまいました。母のあぐりはそのとき九十一歳、もうびっくり。しかしその目には希望がいっぱい、大冒険に出かえる前のように、メラメラと輝きが溢れています。一緒に行く友人たちに話したところ、若者もいるし、フォロー出来るからいいんじゃない、との返事。…出発前日から、ヘルペス(帯状疱疹)になってしまいました。それも半端ではありません。首から上半身半分がブツブツです。しかし、もう行くっきゃありません。…ユカタン半島にあるピラミッドの階段に腰かけて、空を見上げている母の顔を見たとき、こんな明るい笑顔は今まで見たことがなかったな、来てよかったと思いました。…その後は旅の楽しさを知ってしまった母と一緒に、ネパール、中国、台湾、イタリアのトスカーナと海外旅行は続きました。…二〇一一年の七月で母は百四歳。九十九歳で転んでからは歩けなくなり、残念無念!と悔しがっています。98-100p
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