2018年3月23日金曜日

中国王朝 英雄たちの伝説「反逆者 挫折と革命~太平天国の乱から孫文へ~」を見る

 一昨日の夜、NHK・BSで「中国王朝 英雄たちの伝説」(反逆者 挫折と革命~太平天国の乱から孫文へ~)を見る。番組のHPには次のように書いてある。

 「太平天国の乱の痕跡は清が徹底的に抹消。謎に包まれてきた。ところが近年、新事実が続々と報告されている。住宅の壁の下から発見された巨大壁画には独特のユートピアが描かれていた。その取材が外国メディアに初めて許された。また、民衆に宛てた『げき文』が見つかり、中国初の『社会主義』とも言える理想を掲げた事がわかった。その志を受け継いだ孫文は、乱を分析、その失敗を乗り越えようとする。辛亥革命成功の秘密はここに?」。

 この番組に登場する2人の人物。1人は洪秀全でもう1人は孫文。個人的に中国のこの時代に関心がある。洪秀全は漢族であっても客家の一族だ。客家は宗族の結びつきが強い。客家の中から科挙の試験に合格する者が出れば一族は栄える。しかし、客家は漢族の中でも貧しい人たちだった。科挙の試験を受ける塾に通っても金持ちが通う塾とは比べようもないほど試験には受からない。洪秀全は19歳でキリスト教と出会う。しかし信者ではない。23歳で科挙の3度目の試験に失敗。15年間で4度、科挙の試験に失敗する。科挙の試験制度には金持ちが受かりやすくなるという試験官と受験者との間に不正があった。

 30歳の時、洪秀全はキリスト教で知った閃きを参考にして上帝教を作る。洪は上帝の息子でキリストの弟と自らを名乗る。信者は客家を中心として2万人を超えた。洪は科挙の試験でも見られたように「腐敗した世を糺す」ため太平天国の乱を勃発させる。

 最近、長沙で「太平王洪秀全檄文」が見つかった。「檄文」は反乱の際に配った「ビラ」。この「ビラ」が見つかるまで、太平天国の乱に関する痕跡は清が徹底的に抹消して詳細はわからなかった。それが一枚の「檄文」から反乱の初期の「ビラ」であるとわかる。これを解読すると洪秀全は「平等な世の中を築く」と宣言している。社会主義の始まりだ。秦の始皇帝以後の「不平等の源の皇帝を糺そう」と洪秀全は試みる。

 洪は20万人の反乱軍を率いて南京の清軍を倒す。南京は帝京として洪秀全たちは太平天国の国民となった。この時代は11年間続く。番組HPにあるように「住宅の壁の下から発見された巨大壁画には独特のユートピアが描かれていた」。この壁画には人々の姿はなく、「平等」が描かれている。

 南京を征服した洪秀全は次に北京を攻めようとする。食料自給も供給もすべて平等を願った洪秀全。しかし、次第に平等を掲げても供給が追い付かなくなる。やがて南京からの食糧が届かなくなり、北京の反乱は失敗する。洪秀全は皇帝が着る黄色い衣服をまとい、また黄金の玉座に座った。だが、次第に意欲を失っていく。占領した南京を失い、従う人もいなくなると清朝打倒も叶わなくなる。洪秀全は50歳で亡くなるが、その1か月後、南京は陥落した。蜂起から13年、太平天国の乱は終わりを告げたのである。

 浅田次郎によると洪秀全は国の広さと人々の多さに挫折したという。その後、清朝を倒すということで第2の洪秀全と名乗った孫文があらわれる。孫文は革命において外交と革命資金の調達を大事にした。孫文は革命に成功し、洪秀全は失敗した。孫文は洪秀全を超えていたのである。1911年、辛亥革命で清朝は滅ぶ。翌年、孫文は臨時総統府の大総統になった。この時、孫文は五族協和を掲げる。

 孫文によって①満州族を含む中国を作った。②皇帝にもならなかった(洪秀全に学ばなかった)。③皇帝の時代は孫文によって終わった。

 孫文は記している。「公為下天」(天下は公のため民のためにある)。

 いい番組だった。もう吸い込まれるようにして見てしまった。今の中国の政治体制は疑問だらけだけど…。11回も中国へ出かけていても中国の東北部満州辺りに出かけていない。いつかチャンスをと狙っている。しかし、ここは北朝鮮と隣接している地帯。危ない、危ない!朝鮮半島が落ち着くまで当分行かれそうにない!

 それにしても誰かが持っていた一枚の檄文。これを買った人はバス代にもならない価格で手に入れた。一枚の檄文から洪秀全の太平天国の乱も徐々に明らかになる。歴史は塗り替えらえれる…。

 話は変わって昨日はお寺へお彼岸の中日の法要の塔婆を受け取りに行く。出かける前、以前から思っていたことをお寺に言わねばならない。言いたいことが言えないもどかしさ。昨日、お上人の奥様から塔婆を受け取ると、おはぎもくださる。だが、勇気を出して話し始める。それはお盆法要はこちらからお寺に出向くということ。

 母が元気なころは父の月命日にお参りしてもらっていた。しかし、母が寝込んでからは月命日は断る。これも勇気がいることだった。それ以降、年に一度お盆法要は参ってもらっていた。しかし、わが家は人数も少ない。わざわざ遠くに住んでいる姉夫婦や姪たちを呼ぶのも大変。今年の夏からこれも断ることに決めた。その話を切り出すのに勇気がいる、いる。何とかわかってもらった。

 まずは生きているモノが優先する。罪作りかもしれないが、これも両親はわかってくれるだろう。

 昨日と言えば他にも講演会とNHK公開放送が当たった知らせが届く。3枚応募してやっと当たった。どういっても今回のゲストは超一流の人々だ。楽しみ!

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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