昨日の「小夏日和」と打って変わって今日は一日雨。そんな中、先日いただいた本のうちの1冊を読んだ。それは舛井一仁著『ライフプランと生涯学習』(敬文社、1997年)である。
筆者は現在、弁護士、大学教授、著者として活躍されている。
この本は筆者自らの人生が浮き彫りにされており、文面から書く側の迫力が読む側にも伝わってくる。
またいつものように気になる箇所をここに記したい。
本の構成は大まかに分類すると「ライフプラン」と「生涯学習について」から成り立っている。
「ライフプラン」については、我が状況にも当てはまる。会社側からの合理化である。筆者はそれについて何も恐れることはないという。「仕事がないから合理化すると会社はいう。私に言わせれば、仕事がなければ仕事を作ればよいのである。人のいやがるところには仕事はたくさんある。汚いところ。きついところ。他人を快適にする環境は、不快な環境で働く人がいるから成り立っているのだと思うと、何だか元気にならないか。」と(34p)。
この「他人を快適にする環境は、不快な環境で働く人がいるから成り立っている…」は当たり前のことなのに言われてみて初めてそのことに気づかされる。
「異文化から学ぶこと」について、そのアプローチの方法を「好きな人は好き」という気持ちで付き合うという(71p)。このキーワードも「異文化」も「自文化」もすべてこう表現すれば当てはまること間違いない気がする。
どうあっても「好きなものは好き」だし、「好きな人は好き」だ。すべてモノ・コトは「好き」からはじまるように思う。
筆者は異文化から学ぶためにネットワークをひろげることをあげている。それには「ギブアンドテイクの良好な関係が続けられるように、常に自分の目標や能力を高め怠らないことである。」と述べる(80p)。
その能力を身につける方法の一つに自らが情報発信基地になればよい、と。そしてその情報に価値があれば十分な効果をもたらすという(89p)。
ささやかながら我が情報発信はこのブログという手段である。それがきっかけで筆者と知り合うことができ、いろいろと教えを請うことができる。そう思えば、筆者のいうようにこれも「メリハリのある人生を演出」となるのかもしれない(90p)。
次に「生涯学習」については社会人になってからの勉強を述べている。自分自身を振り返っても「生涯学習」といえると思う社会人大学入学がある。学んだ6年間は筆者のいうように「自分の生活、人生を豊かにする」ことになった。それについて筆者は「教養を高め、知的刺激を自分自身の脳に与え続けることが前向きな人生にとり不可欠であるからである。」という(99p)。
確かにそう思う。「前向きな人生」になれると思う。我が社会人大学生として学んだ経験は不思議と何でもやれば出来るという気になってきた。それはどんなモノ、コトに対しても気後れしなくなることにもあらわれる。
さらに筆者は社会人としての勉強の大いなるメリットの一つを「気分転換」にあげている(104p)。
社会人大学生になる前まで広島国際センター(財)主催の「ひろしまアジア塾」で学んでいた。自宅に帰る道とは反対にあるその会場に仕事が終わって週に一度通っていた。その講師は地元の国立大学の教師である。通ってくるいわゆる生徒(塾生)もさまざまな職種の人であり、年齢も、性別も違っていた。会社ではお目にかかれないような地位の人もいた。だが学ぶときは全く同一条件。刺激を受けた。見知らぬ世界にはじめて入った気持ちになった。そこでの人とのふれあいが後の社会人大学生へとなっていったと思えば貴重な体験だったと思う。仕事帰りの疲れは全くなく、むしろ鳩が小屋から飛び立つように、勤務時間が終わるとその会場に勇んで通った。8年間は決して長くはなかった。
筆者が述べているように、会社とのオン、オフははっきりさせていた。ほとんど残業はしないようにして…。
さらに筆者は「それぞれの目的、立場で集うのが社会人講座の特徴である。そしてそこには思いもよらない全く新しい異脳の集まり=空間が出来上がることになる。これが本書の最大のテーマの一つである『ライフププランにおける予期せぬネットワーク』のベースとなるものである。学びつつ、そこで見知らぬ一郡と出会い、刺激を受け、新たなネットワークを作る。肩書きや地位や収入や所属団体の評価が全く役に立たない場が出来上がる。その個人の実力だけがネットワーク維持の命綱となる世界なのである。」と社会人のアフターファイブの勉強の効果について述べている(124p)。
それには残業のために「5時以降は絶対に仕事のために自分の時間を供しないことである。迷うな!宣言して実行あるのみである。」と(198p)。5時以降云々は職種によって異なると思うけど、それくらいの覚悟で臨めということだろう。
それほど社会は非情であり、中高年の合理化という悲哀もあるではないかと…。全く同感!悲哀を味わった!だが、それが社会人大学生として学ぶ動機付けになったことも確かである。
筆者はこれからの人生は問題意識を持つことで勉強も可能になると述べる。意識を持続させることが可能なエネルギーはいつまでも待っていてはくれないと…そういって筆者は文を締めくくる(202p)。
本の大半は筆者の母校である早稲田大学のエクステンションセンターなどを例に挙げて専門的な勉強面について書かれている。だがここでは、自分に当てはまる箇所(いわゆる生涯学習)の面について書いた。
読後感は何かしら元気が出てくる。頑張らねば…と思えてくる。さらに我が人生もこれから…と思う。どんなことが未来に起こるかわからないけど一生学び続けたい、と思っている。
舛井一仁様
貴重な本、本当にありがとうございました!
大事にします!
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