2022年10月8日土曜日

長州路一人旅2日目

 旅の宿は下関満珠荘。受付でのチェックイン時、宿泊客が利用できる3千円のクーポン券をくれた。そのうち2千円分は宿代に充当し、千円は飲みもの代に利用できる。千円分はクラフトビールと珈琲代に使用した。なお夕食は巌流会席。新幹線はおとなび利用で運賃は4割引きの上に、宿代まで安くなった。シニアはさらに宿泊代が安くなる。なお地元のビールは「源平壇之浦」ビール。

 宿は山の上にあり部屋からは関門海峡が見下ろせる。この日はあいにく曇っていた。

宿から関門海峡が見える
 宿までバスに乗車する前に、赤間神宮へは下関行きの途中にある赤間神宮バス停で下車するとよいと聞いていた。また赤間神宮から唐戸市場までは徒歩で行けるという。チェックアウトを済ませて赤間神宮へバスで移動する。観光客らしき姿は数えるほどしかいない。
赤間神宮
 赤間神宮は平清盛の孫である安徳天皇を祀っている。それよりも初代宮司が白石正一郎に関心がある。白石正一郎は荷受け問屋で富を築き、高杉晋作など維新志士たちを物心両面で支援し、奇兵隊は白石邸で結成された。このように維新の偉大なる裏方である白石だが自身の名を遺しているところはほとんどない。

 赤間神宮は安徳天皇を祀った阿弥陀寺陵である。この辺の道は李鴻章道となっている。出かけるまでは李鴻章にまつわる道があるとは知らずここを歩きながら興味を抱く。観光中のグループにこの道を尋ねて前に進んだ。が、誰も歩く人はいない。

 しばらく行くと建物が見えた。日清講和記念館と春帆楼である。中国近代に関心があるのでとても興味深く記念館内に入る。当時の講和会議の様子がうかがえた。さらに李鴻章が揮毫した「海岳煙霞」も目に入る。春帆楼は今はフグのお店として有名。ここでかつて李鴻章が日清講和会議を行ったところと知るとさらに感慨深いものがある。
記念館内部

李鴻章揮毫の文字
春帆楼(左)と日清講和記念館
春帆楼は日清講和談判場だった

李鴻章道案内図
李鴻章道

 李鴻章道をどんどん行くとオペラで有名な藤原義江の家に着く。ところが主が不在のため、また観光する人もいないのか突然、蜘蛛の巣に顔をふさがれる。道を外れた通りで人に聞くとあらかじめ電話すれば室内に入れてくれるそうだ。蜘蛛の巣を払いのけながら外から建物を見る。
主のいない藤原義江記念館

 李鴻章道が終わるころ、歩く人にこのあたりの名所を伺うと引接寺(いんじょうじ)の三門の天井の竜を見るように教えてもらう。三門の天井を見上げると素晴らしい竜の装飾が施されていた。
引接寺三門
引接寺三門天井の竜の装飾


 引接寺を出て国道を歩いていると道行く人から亀山八幡宮を教えてもらう。八幡宮の対面には国道を挟んで唐戸市場がある。境内に入るとマスク姿の世界一大きなフグの像が建っている。さすがフグの本場だ。また、亀山砲台跡も残っていた。さらにこの地は床屋発祥の地らしくその記念碑も建っている。
亀山八幡宮
亀山八幡宮のマスク姿の世界一のフグ像

            亀山砲台跡
床屋発祥の地

 唐戸市場はテレビなどでもお馴染みだ。ここでにぎりずしでお昼を食べようと思った。ところが市場内に人気はまだらだ。行きかう人に尋ねると金土日しかそういったお店は開いてないという。その人たちもここに来て知ったそうだ。残念な気持ちで隣接のカモンワーフに向かう。ここも人の気配が無く、以前母たちと来た頃の賑わいはない。コロナ禍で観光客もいないようだ。仕方なく国道沿いを歩いて唐戸のバス停に向かう。途中、唐戸市場に勤める人が道に面した花壇に水をためてホテイアオイを育てていた。話を聞くと深さは数センチと浅くメダカも飼っているとか。出会ったときは水の中のゴミをすくっておられた。
ホテイアオイ すぐに花はし凋むそうだ

 唐戸でバスに乗って下関駅に向かう。この日は暑く、駅に着くと歩き疲れる。ホテルで朝から食事をたっぷりとっている。お昼は簡単なもので、とフードコートを探す。こういう場所は慣れていないので人の注文のそぶりを見てまねをする。長崎ちゃんぽんを注文した。食事場所は音がうるさくて食べるとすぐ出て観光案内所に向かう。ここで新下関乗車まで駅近くにあり、どうしても行きたかった白石正一郎宅跡(奇兵隊結成の地)と大歳神社の行き先を聴く。
白石正一郎宅跡

 簡単な地図を貰って歩き始めるが下関駅付近の地下道は工事中で目的地はすぐそばであってもたどり着けない。警備の人に聞いて地下道を抜けてやっと白石正一郎宅跡に着いた。ここは下関駅の大通りに面した一角にあった。次は大歳神社へ。またも行き先を尋ねると長い階段のある神社と教わる。脚も歩き疲れて113段の石段を上り終えたときはああ、疲れたとなった。これくらいでへこたれないが今回は歩き草臥れている。この神社の大鳥居に、初めて白石正一郎の名が刻まれていた。司馬遼太郎の本にもこの人はほとんど自分の名を遺していないと書いている。

白石正一郎、と刻まれている

123段の階段を上がって大歳神社へ

 2日目は前日の倍の16000歩以上歩いた。下関駅近辺の2か所を観光後、どこでもいいので足を休める場所を探す。目の前に竹崎公園があり、風の預言者高杉晋作の像が建っている。しばし休憩後、落ち着いたカフェを探すが見つからず、下関駅に戻ってファストフードのモスバーガーに入る。幸い人も混んでなく窓際に陣取って新下関駅までの在来線発車時刻まで時間をつぶす。注文したのは丸いスポンジケーキのようなものにシロップをかけて食べる。そして珈琲。

 たった2日の短い旅だったがやり終えた観とどこへでもまだ行ける、という気持ちが湧いてきて、歳を取ってからの旅も楽しく思えた。次は今月中旬の旅が待っている。

 昨日、おとなびで新幹線の往復を予約した。行きの予定時刻では予約が取れず次を探す。予約が取れないとわかると急いで帰りも予約する。どちらもOK だった。ただ、次の旅は同じく「おとなび」でも「のぞみ」利用なのであまり割引はないようだ。それでも旅に行けるだけでいい。何を今さら、この齢になって、と笑われそうだが、自分自身は今、そう思ったこと。何歳になっても楽しみはある!?

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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