気が向くと2階に出したままのアルバムを下に持って降り、アルバムから写真を外す。先日は23年前に出かけたアンデス周遊11日間のアルバムを整理する。11日間の長い旅なのに写真が少ない。それもそのはず、ハードな旅だった。クスコのホテルに到着後、ロビーでマカ茶を飲んだ。その後から高山病独特の症状が出てベッドに横たわる。この日の行動は日程表によると午前は高山病対策で休憩し、午後、クスコ市内観光となっている。この間のことははっきり覚えていない。ただクスコの観光はしなかったというか、できなかった。
アルバムから写真を外していると1枚だけ台紙に貼った写真がある。ツアーの人のクスコの集合写真だ。これを見ても自分自身は写っていない。当時の旅は見ず知らずの人との相部屋可能の時代。20歳くらい年の若い女性と相部屋になった。ダウンして寝ていると昼食か夕飯か覚えていないけど、ベッドまでお粥をもってきてくれた。高山病になると吐き気を催す。また寒気も出る。温かいお粥を感謝していただいた。
高山病も高度になれるとダウンは何だったのか、と翌日は元気になる。ただ、ペルーの旅ではいつもよりかなりきつい高山病だった。添乗員は這ってでも観光を続けるように、と発破をかける。
バスと列車を乗り継いでインカ観光のハイライト、マチュピチュを目指す。”幻の空中都市”といわれるマチュピチュ。視界に入るすべてをカメラには納められない。日程表によると日帰りでマチュピチュ観光をしている。ペルーの旅のアルバムに一通の手紙を馳せていた。中には写真が2枚ある。このアルバムの整理をするまで手紙の事は忘れていた。手紙の内容から当時のことを思い出す。
外国へ出かけると旅行先でいろんな人と仲良くなる。この手紙を見ると1996年8月26日付で送り主は大韓民国京幾道の朴さんとある。手紙を読むと大きな文字の美しい日本語とハングル文字で「Peru マチュピチュ山上食堂にて影した寫眞をお送り上げます……」(原文のまま)とある。手紙と写真をみてこの方に返事を出したのかどうかが気になりだす。ずっと思いを巡らすうちに思い出した。以前、大江健三郎の講演を福山まで聞きに行った。その時、聞いた講演を別の人からカセットテープでもらっている。それをこの方にダビングして送ったようだ。
ハングルはこれまで2度習いに行った。だが、自分に合わないのか続かず仕舞い。またいろんな外国へ行っているにもかかわらず、近くの韓国へは出かけていない。手紙をくれた人は日本が韓国を統治していた時代に教育を受けた人だろう。親切にしていただいてその恩に報いたのだろうか。気になる。
再度、クスコに戻る。翌日、チチカカ湖観光に向かう飛行機の時間までクスコで買い物をする。その時、お土産店でケーナを4本購入。クスコ在住の日本人がお土産として作るケーナ。日本の相場に合わせた価格らしく、お土産としては高価だった。
飛行機と船に乗り継いでチチカカ湖畔のプーノに向かう。この湖に浮かぶウトロ島はトトロ(葦)島で葦でできている。歩くと葦がクッションの役目をするのかふわっとしている。8月のペルーは日本とは真反対の季節で冬になる。ウトロ島では急にお天気が荒れて雹が降る。持っていた全財産の服を着る。23年前はダウンを着ていない。ダウンがあれば寒さ対策も楽。当時はダウンを持っていなかったのだろう。
葦でできた船に乗ってチチカカ湖見学。その後、飛行機でリマに戻ってバジェスタス島を観光船で見学。船から見るのはいろんな鳥やアシカ(アザラシ?)の群れで半端なくいる。船が進むと勢いあまって水しぶきを頭から浴びる。写真を見るとフードをかぶっていた。
午後はナスカ地上絵をセスナ機に乗って見学する。この時、頭をかすめたことがある。それはここでは死ねないと。セスナに乗るか乗らないか、自分の中で判断を迫られる。セスナ、のイメージがよくない。勇気を出して乗った。3人が1機のセスナに乗る。乗員を含めて4人。乗った人と写真を撮っていた。セスナから見下ろす地上絵。次第に気分が悪くなる。地上に降りた時はかなり気分が悪かった。だが、大事に至らず。
この経験があるのでネパールの遊覧飛行もためらう。そういえばネパールも出かけていない。リマからロスで2泊して成田空港にぶじ帰国。機内で男性の若者3人組から参加者の名簿を作る話が出る。なんと、その後に私と相部屋の若い女性と3人組のうちの1人はめでたく結婚された。今もそのご夫妻とは年賀状のやり取りをしている。お2人の間には坊ちゃんが誕生。毎年届く年賀状を見ると坊ちゃんもたくましく成長されている。まるで我が孫を見るような気持ちだ。
Peruは1996年8月9日から11日間の旅だった。ペルーから帰国途中でロスアンゼルスに2泊し、ロス市内やユニバーサルスタジオを観光した。ジェラシック・パーク全盛だ。これが唯一のアメリカ大陸への旅。暇つぶしにザーッとPeruの旅を振り返った。それにしても旅でいろんな人と知り合っている。楽しい旅をまだまだ続けよう!
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう❕
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