暇になると司馬遼太郎の本を読んでいる。今、読んでいるのは『翔ぶが如く』全10巻の8巻目。この1年間、司馬作品を読むことに明け暮れ、時に違う人の本が読みたくなる。図書館に予約する本もすぐに手元に届くとは限らない。予約確保までは書架から面白そうな本を借りて読む。『また明日会いましょう』(山本周五郎 河出書房新社、2018年)はそんなときに借りて読んだ。山本周五郎という名は知っていてもこの人の本を読むのは初めてだ。以下は気になる箇所の抜粋。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
★要は、そう話をつみ重ねるのは歴史であり、そのなかに人間性を捜すのが小説である。文学は決して歴史を証明するものではなくて、歴史その他あらゆるもののなかから吸収するものだ、と思うのである。――ではないでしょうか。(53p)
★読書、なかんずく小説を読むよろこびは、もう一つの人生を経験することができる、という点にある。こちらに積極的な「読み取ろう」とする気持ちがありさえすれば、たいていの小説はそれを与えてくれるものだ。というより、ある場合には現実の生活では得られない情緒や感動を、現実よりもなまなましく、――ときには肉体的にまで、――経験することことができる。(90-91p)
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