2019年5月11日土曜日

『習近平の大問題』を読む

 『竜馬がゆく』を読む合間に読んだ『習近平の大問題』(丹羽宇一郎 東洋経済新報社,2018年)、サブタイトルは「不毛な議論は終わった。」。読んでもまだわかったようなわからないような本だ。

 先日、台湾に出かけた。台南にあるオランダ統治時代に建てられた赤崁楼を観光中、ツアーの一人がガイドに質問した。「台湾の独立をどう考えていますか」。その返答は「福建省出身で自分は5世に当たる。また夫は中国と関連する仕事に就き、中国へもしょっちゅう出かける。中国抜きでは生きていけない……」のようなことを話した。自由がある台湾がいいが、生きていく上で中国は切り離せないともいう。独立も難しそうだ。ここからガイドは熱を帯びて話を続けた。だから、頑張らないといけないんだと……。自己主張が強い意味をここで知る。また、台湾の人の数割は福建省出身で他にも客家や原住民である少数民族がいる。近年はフィリピン、ベトナムなどから来た人たちも多いそうだ。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

 以下は『習近平の大問題』の気になる個所からの抜粋。

★変化著しい今の中国と正しく向き合うことを正面から主張する本が必要と考えたのだ。11p

★政治システムが違う香港・マカオ・台湾も含め、いまの中国人にとっては依然として「一つの中国」なのである。12-13p

★人は結局、自分の器でしか物を見ることができない。器の小さな人には、大きな器の全容をつかむことはできないのだ。そして、凡人は自分に似せて物を見る。……実物の習近平を見ている私には、日本のメディアが伝える習近平像の歪みは、メディアの歪みを反映したものであり、また日本社会の歪みを投影しているように思えてならない。31-32p

★習近平は、2012年秋の主席就任演説でも、かつて彼が随所で何度も語った「中華民族の夢」について述べた。……。「中華民族の夢」とは、端的にいえば、これら過去に奪われたものを取り戻すことである。自分の国なのに主権がないという屈辱を受けた中華民族に誇りと大国の地位を取り戻す試みが「中華民族の夢」である。35-36p

★ペンは剣よりも強しというが、ペンよりも強いのがパンだ。人間は、言論の自由や権利を拡大することより、まず食べることが優先する。「衣食足って礼節を知る」である。95p

★中国は、いわばやっと自力で立つところまできた状態である。
やっと立てた人に、立ったのだからすぐに走れといっても走れるはずはない。走る前に歩けるようになることが肝心だ。まだ十分に歩ける状態でないにもかかわらず、無理に走らせれば必ず転んでケガをする。100p

★国民の基本的人権を抑圧する国家は、長い目で見れば必ず衰退していく。恐怖政治では国が持たないことは歴史が証明している。企業も同じだ。社員を大事にしない企業は間違いなく衰退する。……中国はすでに世界に対して開かれた国だ。……民主化は中国の未来にとって必須である。108p

★敗戦で国土を失った日本、ドイツのほうが、領土・権益を保全した戦勝国イギリス、フランスよりも経済的に大きく成長したのである。
日本とドイツの例を見ると、植民地はいわば企業の不良資産といえる。113p

★法令などを触れ回る時には木鐸が使われ、金鐸は戦争を知らせるときに使われたという。社会の木鐸とは、ここから転じて「社会に向かって警鐘を鳴らす役割」という意味で使われるようになった。
したがって、新聞に代表されるようなメディアの姿勢は常に社会に対し批判的であり、問題提起型であることが基本となる。……中国に対しても、チャンスよりリスクに注目し、批判的な記事ばかりがでるのは仕方がないことだ。……しかし、日本のメディアには3つの問題があるように見える。
1つは批判の舌鋒に鋭さがない。2つ目は横並びの批判が多い。3つ目は批判さえしないことだ。批判の舌鋒に鋭さがないのは、現地取材が弱いからである。中国のトップなってからの習近平に直接インタビューした日本メディアはない。179p

★中国の政治体制が日本や欧米の民主制とは異なる形になるにせよ、民主化が必然であるように、情報統制も漸次規制を緩めることが先進国になるための通過点である。242p

★人の行動とは自分の鏡に映った姿である。こちらが鏡の曇りを除き、歪みを正せば写る姿は変わってくる。相手が変わったのではない。こちらの鏡の歪みや曇りを直しただけだ。249p

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