2018年12月7日金曜日

『99歳、ひとりを生きる。ケタ外れの好奇心で』

 今朝の地元紙に堀文子の個展案内がある。場所は県北の美術館。2,3年前、兵庫の美術館で見た堀文子の個展。感動して画集を購入した。寒い時期にこれまた県北の寒い場所での開催であっても見に行く価値がある。堀文子は今年生誕100年。絵の素晴らしさもそうだが、生き方や考え方にも大いに魅かれる。
 
 『99歳、ひとりを生きる。ケタ外れの好奇心で』(堀文子 三笠書房、2018年第2刷)を読んだ。以下はその中からの抜粋。なかでも「わたくしは次に生まれることがあったら、木になりたいと思っています」は同感。樹木の生命力にあやかりたい!

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

★何ごとであれ、自分の目で見なければ承知できない頑固さが、わたくしを支えてきました。自分の目で見、耳で聞き、足で歩き、頭で考え、情報に頼らず自力で生きた原始の祖先の心を取り戻すほかに道はないとわたくしは考えます。46p

★満たされない思いに胸が締め付けられるから、思いが濃くなるのです。
自由は手に入れるのが大変だからこそ、それを求めるエネルギーも湧いてくるのです。48p

★「水気を含むブナは、材木としての価値がありません。それで金にならないブナ林は救われたのです」
美や真理は無駄の中にあり。
富とは無縁だと思っているわたくしに、自信を与えてくれた言葉でした。50p

★わたくしにとって新しい住居や旅は、どんな努力も及ばない、自己改造への方法です。わたくしの中に眠る未知の因子に火をともしてくれるような気がいたします。57p

★ラクなことは、びっくりすることがないから当たり前で面白くありません。わたくしは驚いていないと、エネルギーが湧かないのです。61p

★あるものは、なくなる。ひとりで生きられるようにしなければならない。67p

★いつでも感動していたい。そのためにも、わたくしは自由に生きたいのです。87p

★わたくしは、旅をするときや、知らないところへ行くときは、ひとりに限ると思っております。……困ったことが起こるかもしれないと思っても、「人間が生きているところなのだから、何とかなる」と考え、ひとりで行動いたします。96p

★人間は誰かの助けが必要だが、植物は自力で生き抜く。どんなに虐げられても芽は上を向いている。健気な姿に感動する、その出会いがまた面白い。104p

★自然は鋭敏で自分の仕事を怠りません。放っておいても日々姿を変える、、木々の美しさに適うものはありません。132p

★わたくしは次に生まれることがあったら、木になりたいと思っています。133p

★無心に生きる草木を仰ぎながら、残る命を生きたいと思う。167p

★息の絶えるまで感動していたい。168p

0 件のコメント:

コメントを投稿