2018年6月17日日曜日

「独裁者3人の”狂気”」

 NHKのBSドキュメンタリー「映像の世紀」第9集は「独裁者3人の”狂気”」。番組欄でこの放送を知ってテレビを見る。番組初めに映し出される映像は今から30年前にルーマニアの独裁者チャフシェスク書記長とその妻の逮捕の瞬間を映し出す。その後すぐに2人は銃殺されてルーマニアの独裁政権は終止符を打つ。ルーマニの曲である♪望郷のバラード🎵。この曲を今年の秋の発表会で吹くと決めてからルーマニアに関心を寄せている。その思いもあって番組にも関心を抱く。

 イタリアのムッソリーニ、ドイツのヒトラー、そしてソビエトのスターリンの3人は悪魔の顔をした独裁者だった。番組はこの人たちに焦点を当てる。

 まずはムッソリーニ。強いイタリアを目指してファシズムを生んだ男ムッソリーニはミラノで黒シャツ隊を結成。10万人の隊員はローマへとデモ行進し、武装組織のファシスト党を1921年に結成する。その時ムッソリーニは独裁を宣言する。ムッソリーニは”DUCE”統帥と人々から呼ばれる。そのきっかけはまだ若いクララがムッソリーニにラブレターを寄こしたことに始まる。成人したクララはムッソリーニの愛人となっている。

 この頃イギリスのチャーチルとドイツのヒトラーがムッソリーニに憧れる。ヒトラーはムッソリーニを真似たファシズムが生んだモンスターであった。そして大衆の心をつかんでいた。この底辺にはムッソリーニが黒シャツ隊に向けて右手を上げるローマ式敬礼がモデルにあった。また共産党を弾圧してナチス一党独裁体制を確立した。総統を「ヒューラー」と呼ばせてムッソリーニの”DUCE”を真似た。ヒトラーは憧れのムッソリーニと3日間対面する。そしてヒトラーはドイツの少年たちを全員動員して「ヒトラー・ユーゲント」を組織した。

 さてスターリン。共産主義者が生んだ独裁者だった。スターリンの対立者はトロツキー。レーニンは後継者としてトロツキーを望んだ。しかし、レーニンの葬儀にスターリンはトロツキーを招かなかった。レーニンが生前スターリンを嫌っていたにもかかわらず…。スターリンはトロツキーを排除し、国外退去させてメキシコで暗殺。共産主義をすすめるスターリンは農業で国づくりをして集団政策を推し進める。しかし、これに反発する1500万人は極寒の地の収容所へ送られる。このころバーナード・ショーはロシアを褒めたたえる。だが、これは見せかけにすぎなかった。農民は飢餓に苦しむ。自分たちの食糧さえも探し出してそれを外国に輸出した。この人たちは穀倉地帯のウクライナの農民で300万人が餓死する。この様子を見たスターリンの妻は夫を非難して自殺する。娘のスヴェトラーナは父であるスターリンが母の死後さらに冷酷になったと話す。その後スターリンの議会で1500人の内300人が無記名で反対を唱える。無記名のため誰が反対したのかわからず、その半分を粛正するという恐怖政治をすすめた。結果的に450万人の国民を粛正した。

 ムッソリーニとヒトラーはヨーロッパを地獄に突き落とした。ムッソリーニは第二次エチオピア戦争でエチオピアを植民地にした。ヒトラーはこれを見て領土拡大をして1938年、オーストリアを併合しチェコスロバキアの一部を割譲する。ヒトラーを支持したイギリスとフランスはドイツを共産主義の盾にしようとする。

 スターリンはヒトラーと軍事同盟条約を締結した。ヒトラーはソビエト侵攻をももくろみ、ポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発する。これにムッソリーニも参戦する。1941年、ヒトラーは条約を破棄してソビエトに侵攻。ヒトラーとスターリンの激突により4000万人が死亡する。スターリンはヒトラーに騙されたようだ。

 穀倉地帯だったウクライナはスターリンに冷遇され、ドイツ軍を解放者として迎えた。こうしてソビエトの300万人が捕虜となる。この中にスターリンの息子であるヤコフがいた。このころ、ムッソリーニは独ソ大戦をほくそ笑んだ。ドイツは厳しい寒さに耐えられず敗退し、2度目の冬には戦争はさらに悪化する。スターリングラードと名付けられた地で100万人が飢えと寒さにあってもヒトラーは降伏も撤退も決めなかった。しかし生きるためにと10万人が投降し、捕虜となったヤコフと交換した。しかしスターリンは息子であるヤコフでさえも身内とせず、ヤコフは収容所の鉄塔に突っ込んで感電死を遂げる。

 スターリンはドイツ軍捕虜を行進させて見せしめとした。ヒトラーは飼い犬で気持ちを和ませ、ムッソリーニは職を解かれたとのニュースが流れる。1943年にムッソリーニは失脚しファシズムは終わりを告げる。ヒトラーはムソリーニと会いローマでファシズムを作るように説得する。そうしなければポーランドのようになる、と脅す。しかしムッソリーニは再度ミラノをファシズムの拠点とするが殺される。

 ヒトラーは最期に飼い犬を毒殺し妻と共に自殺した。しかし6年間の第二次世界大戦が終わっても3人のうちスターリンだけは地獄を生き抜いた。その後、スターリンにあこがれた毛沢東と金日成。フルシチョフは没後3年でスターリンを非難した。スターリンの娘スヴェトラーナはアメリカに亡命。2015年、プーチンはドイツ戦勝利を祝ってスターリンを再評価している。またもロシアに独裁政権誕生!?https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/92899/2899067/index.html (参照)

 今朝テレビの番組欄を見ると何とBSで午後に「スターリングラード」の映画がある。このタイミングの良さに驚く。今日は午後からこの映画を見よう。

 長々とブログに投稿している。この時代になぜか関心があるので仕方がない。それにしてもこれだけのことを本で読むとなると大変だけど当時の実際の映像で見ると見ていてわかりやすい。その後、BS1でエルサレムがあった。しかしこれは見ていない。再放送があるといいけど…。

 昨日の日本画教室の話題は明日のブログに投稿しよう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

0 件のコメント:

コメントを投稿