2018年6月20日水曜日

三点支持&「この世で老いほど惨めなものはない」

 フルートを持つときの三点支持。これは右手の親指で楽器の右端を向こう側に押し、左手の人差し指の付け根で楽器中央部を体側に押す。そして楽器の歌口を唇で受け止めたこの3点で支えてフルートを吹く。今さらっている「望郷のバラード」。この3点の支えが上手くできないと曲の途中でうまく吹けなくなる。

 昨日練習していて3オクターブ目のソ(G)の音を出す際、吹いている唇に力が入る。キーが高すぎることにもよる。その時気づいた。楽器を支える左手の人差指の付け根を気持ちほど角度を変えて吹くと音が出やすくなる。これまで惰性で楽器を支えていた。気づいた時が幸いとばかり、再度楽器を持ち換えて初めから曲を吹くと曲の終わりまで難なく吹ける。「これっ!」と妙に納得して再度吹く。左手の人差指の付け根をなるべく関節に近づけて支える。これを忘れないようにしよう。

 どういってもフルートはピアノと違ってちょっとした口の動きや手の動きで楽器の歌口と唇がずれることがある。それも曲の途中で休符があればその時修正できる。しかしこの曲は3拍子で休符があっても1拍と短い。それよりもはじめから終わりまで唇がずれないように練習するほうがいい。昨日は何度か気づいたやり方で練習する。

 午後は映画のタイトルに惹かれてBSシネマ「ベニスに死す」を見る。音楽はマーラー。映画の最後に「この世で老いほど惨めなものはない」とのセリフがある。美少年に恋する老人のお話。そうだろうか、と思いながらセリフを聞く。「老い」を味わいつつあるものにとって「惨め」と思ったことはない。老いるのが嫌というのでなく歳を取るのは嫌だな、と若い頃感じたことはある。しかし、今はそんな気持ちはみじんもない。むしろ若い頃よりも老いつつある今の方がどれほど精神的に満たされ、充実した人生を送っていることか。とりあえず今は悩みがない。これもすべては元気が底辺にあるからだろう。もしもそうでなければ「老い」を「惨め」と思うようになるかもしれない。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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