2017年4月25日火曜日

いつの時代も…

 先日の講演会で聞いたユダヤ人のアウシュビッツ収容所。これから出かける旅でこの収容所は観光コースに入っている。嫌ならば見学しなくてもいいとの断りも入れてある。楽しいことではない。だが、せっかくの旅。一見の価値はありそうだ。

 手元に『ポーランドを知るための60章』(明石書店、石井昭男、2001年)がある。それを読むとアウシュビッツは1979年に世界遺産に登録されている。広島の原爆ドームと同じくいい意味での遺産ではない。本によると「これは、ユダヤ人だけのモニュメントではなく、ポーランド人やドイツ人だけのモニュメントでもなく、人類の歴史と人々の心に深く刻み込まれた、過去と未来を結ぶ大いなる遺産である」とある。61p

 本には収容所送りになるユダヤ人が貨物で送られ、到着する度に「選別」が始まる。元気な若者は労働力とみなして強制労働させる。それ以外はガス室に送られる。この辺りのことをここに載せるだけで嫌な気持ちになる。今、広島の映像ライブラリーではポーランド映画が上映されている。見に行きたい気持ちと嫌なことは知らなくてもいい、との葛藤がある。文章を読むだけでも状況が把握できる。映像となるとさらに生々しいだろう。

 これらは自分が生まれる前のこと。しかし、それほど過去の話ではない。現在といえば緊張している北朝鮮のミサイルの問題がある。さてさてこれはどうなるものやら。

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