2016年12月4日日曜日

「何事も決まっているのではない」

 「困難に出合ったと時、どうするか、かねて私が考えてきたことは、『何事も決まっているのではない』と思うことだった。すると、急に気が軽くなる。その時は、いちだんとスマートで能率よく、信頼すべき局面が展開すると、言ってくれているではないか」75p。

 これは中西進が『ことばのこころ』東京書籍、2016年)の「決定できないことは大きな問題ではない」の中で述べている。インドに行く機内で読んだ「インドタイムス」の中の折り込みチラシ。その広告に掲載された一文。一面真っ黒な中に金文字が躍る。それがこの文章。この広告は「迷わずに次の最新機器を買い替えよと言うのだから、仕事の上でも当面の解決のむずかしさを深刻に考えて、暗闇に立ちすくんでいるより、勇気をだして次のレベルに向かって向上していくべく、努力をすればよい。…」。機内で読んだ中西は「ずっとことばの意味を、わたしは考えつづけていた。そしてインドにはそこしれない深さと広さと、さらに未来があることも。」で文を締めくくる。

 確かに「何事も決まっているのではない」。先を思い悩んだ若い頃にこれに気付けばもっと良かったかもしれない。

 さて、昨日の日本画教室。相変わらず描き方の手順が要領を得ない。一つずつの作業を先生に聞きながら進めていく。枝に咲いた白いバラの花。葉っぱに色付けするもどうも要領を得ない。まずは葉っぱに近い色を混色して平塗する。次に葉っぱに表情をつけるのか他の色でぼかす。ぼかしと垂らし込みの違いが今一歩理解できていない。これも慣れ!?

 次は花。胡粉を塗る。塗るにも要領がいる。乾かしては塗るを繰り返すと次第にバラの白さが出てくる。さらに他の色でバラに陰影をつける。これも何度か繰り返す。昨日はここまで。一つの作業をやり終える度、上手く描けた!と思わず声を発する。教室の人たちはすべて絵のベテラン。きっと何をぼやく?と思われそう。それでもいつも自己満足の世界。これじゃ、進歩も何もない!?

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