2016年12月20日火曜日

「おためごかし」(御為倒し)&「名前を食う」

 本を読んでいると「おためごかし」とある。あれ、と思って思い出す。先日、小田嶋隆の文にあり、ブログにアップ。その時点では前後の言葉から大体の意味は分かった。だが、初めて知るキーワード。辞書を調べることもしなかった。

 池内紀の本に「おためごかし」の文がある。『世の中にひとこと』のなかの「おためごかし」の一文。池内は幼くして父をなくし、母が家計のやりくりをする。苦しい家計の中、母は土地を処分する。その時にやってきたのが「おためごかしの人」。母が処分した土地はその後、市の住宅開発で何倍にも値上りする。畳をたたいて悔しがる母を見ていた池内は「おためごかし」の意味をその時初めて知る。

 「おためごかし」とは辞書によると「相手のためにするように見せかけて、実は自分自身の利益を図ること」とある。おためごかしほどひどくはなくてもそれに近いような物言いをする人がいる。こういう人に近づいてはいけない。

 筆者は地位や権威を極力嫌っている。その辺りが本にも表れ、読んでいて清々しい。

 他にも記したい箇所がある。「名前を食う」の中で、「いっさいをインターネットやホームページの情報にゆだねるのは、せっかくの機会を”情報屋”に売り渡したことにならないか。誰が選んだともしれない『おすすめの店』で『おすすめの料理』を食べるのは、つまるところ情報を食べているだけのことではないか。こんなケースを『名前を食う』というらしいが、うまい言い方である。…ひどい店の一夜は、のちのちまで楽しい話題になるものだ」。75p

 最後の「のちのちまで楽しい話題になるものだ」。これはトラブル続きだった今回の旅の紀行文の最後に借用させてもらおう。

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