2013年3月19日火曜日

『そして、人生はつづく』

今日の最高気温19度、最低気温8度で暖かい。昨日の吹き荒れたお天気と違って今朝は穏やかな陽射しがある。気持いい朝だ。

昨日はゴミだしと狭い庭に咲いている花を眺めるだけで外に出ず、ゆっくりと過ごす。

その暇に再度バス旅に思いをめぐらす。それはトイレットペーパー。

辺境の外国ではトイレットぺ-パーはなくて当たり前のところもある。だが日本を代表する伊勢神宮でトイレットペーパーがないとは・・・。吃驚する。昨年「せんぐう館」が建造された。立派な木造りの建物である。その正面玄関にはトイレはないとの表示がある。

しかし、あとでわかったことだが建物内に入ってみるとトイレはあった。

外に出てトイレを探す。立派なトイレが有る。そこにはペーパーがない。100円の自動販売機が備え付けられ、コインを入れるとティッシュがでる。

ペーパーがないのは新大阪駅でもそうだった。以前広島駅新幹線口のトイレも50円のコインを入れた。

義兄にそれもぼやくとペーパーを一抱えにして持ち去る人がいるらしい。

伊勢神宮も新大阪駅も多くの人出がある。かなりのペーパーを補充しないと間に合わない。それなのに持ち去る人がいたらそれこそトイレ専従の人が必要だ。ペーパーがないのもうなづける。

2日ほど、家でゆっくりしていた。今日からまた忙しい日々が待ち受ける。以下は昨日読んだ本を抜粋したもの。

川本三郎の『そして、人生はつづく』(平凡社、2013年)を読んだ。ゆっくり本を読んだのはいつ以来だろう。

著者の川本はこのタイトルのいわれについてあとがきで述べている。

「書名はイラン映画、アッバス・キアロスタミ監督の『そして人生はつづく』に倣った。・・・どんなに悲劇に遭ったとしても生き残った者は、昨日と同じように今日も生きてゆかなければならないという切実な思いがこの言葉にはこめられている。」と。

「一人になってつくづく思うのは、自分の人生も限られていること。それまでに何が出来るのか。何をしたいのか。終わりを見据えて、逆算して生きてゆくことが大事になる。時間が限られているから、物事に優先順位をつけてゆかざるを得ない。」(68p)

「一月一日。天気が良いので寄居町の寺めぐりをする。三時間歩いて七つの寺に行く。どこも小さく、正月だというのにほとんど人はいない。一人旅にはそれが有難い。ひなびた寺のほうがかえって神さびて見える。家内を亡くしてから寺や神社に行くことが多くなった。格別の信心もないが、掌を合わせると気持が晴れる。ある神社で掌を合わせているとき大地が揺れた。願いが届いたのかと一瞬思ったが、あとで地震と知った。・・・」(158p)

この場面は読んでいて思わず笑いが出る。すぐに願いが届くとは・・・!?

「どの小説だったか随筆だったか思い出せないのだが、ある翻訳ものに『オーケストラのオーボエのように孤独』という言葉があった。オーケストラではオーボエは他の楽器に比べると地味だからだろう。そんななか、NHK交響楽団のオーボエ奏者、池田昭子さんは、その美貌もあって人気が高い。」(160p)

その点、フルートはどうなんだろう。

「この夏は鉄道の旅ばかりしていた。先ず北海道に行き、そのあと鹿児島、さらに長崎へと足をのばした。一人暮らしになってから、どうせ家に一人でいるなら一人旅に出てしまえ、ということが多くなった。元気なうちにまだ行ったことのない日本の小さな町を訪ねたい、という思いも強い。」(212p)

確かに。「元気なうちは日本の小さな町・・・」ならぬ、外国の町を訪ねたい。

「一人暮らしで一番気をつけないといけないと悟ったのは忘れること。電気のつけっぱなし、洗濯物の取り込み忘れ、水道の水の出しっぱなし。日常生活には実に忘れることが多い。一度ガスをつけっぱなしにしていて青くなった。・・・」(223p)

同じようなことをしている。ガスである。都市ガスを使うのをやめようかなと思うこともある。だが電気だけだと、いざ何かが起きたとき困る気がする。都市ガス使用量毎月900円前後。ほとんど使用量はゼロ㎥。料理も電子レンジの使用が多い。だが著者はこのレンジに入れていて取り出すのを忘れるらしい。それも有り得るかなと思ったりする。

「その医師によれば、年を取るほど肉は大事なのだという。そういえば七十九歳まで生きた永井荷風はカツ丼好きだったし、黒澤明や石川淳、龍膽寺雄ら長生きした人はみんな肉好き。・・・そうか、肉も食べないといけないのか、と医者の帰り、近所の焼肉屋に入ったのだが、家族連れでにぎわう店でひとり焼肉を食べるのはなんともわびしく、そして恥ずかしかった。仕方がないので、それ以後、近所に住む友人たちに焼肉メイトになってもらい、月に一、二回付き合ってもらっている。」(227p)

「究極の『ひとり遊び』といえば眠ることだろうか。家内によく『あなたはスヌーピーと同じで本当によく眠るわね。スリーピーだわ。』といわれたが、一日最低七時間は眠っている。ときに八時間。」(232p)

一日最低七時間や八時間どころではない。睡眠時間は九時間位が丁度いい。最近の疲れも睡眠不足にある。よく眠るとすぐ元気になる。

この本を読んで改めて思う。どんなに立派な人でも奥さんに先立たれるとわびしいものだと。別にそれは奥さんでなくてもそうかもしれない。一人暮らしの人に当てはまるだろう。そんななかでも皆、工夫を凝らして生活している。見習わなくてはいけない。頑張ろう!

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