先日、石川恭三の本を読み、他にもこの人の本を読みたいと思って図書館のHPで探すとこの本があった。会社勤めをしていた頃、この人はテレビに出演されていた。母はこの人の番組を見るのが好きだったようで「石川先生」と勝手に親しげに話していた。そんな当時を思い出しながら『百歳を生きる処方箋』「一読、十笑、百吸、千字、万歩」(石川恭三 河出書房新社、2019年)を読んだ。
母は100歳まで生きられず96歳になる年に亡くなった。母を介護している時、母は「役に立たん」と自分自身で何もできなくなったことを嘆いた。その時は「元気を出して100歳まで生きよう!」と、はっぱをかけたものである。
救急で病院に運ばれた時、すぐに熱も下がり病院から家ではなくどこか施設にと3か所紹介された。施設を見学して5年間入られるところを決めて、その旨、病院側に告げた。その矢先に母は病院で亡くなった。後で(母は施設に入るのが嫌だったのだろう)、と勝手にそう思ったり……。100歳の壁は簡単には越えられそうにない。
以下はこの本から気になる箇所をメモした。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
★高齢者の認知症予防、と体力維持のために「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を生活習慣として取り入れることを長年にわたって提唱してきた。これに説明を加えると、「一読」は一日に一回はまとまった文章を読もう、「十笑」は、一日に十回くらいは声を出して笑おう、「百吸」は、一日に百回くらい(一度に十回くらい)深呼吸をしよう、「千字」は、一日に千字くらいは文字を書こう、「万歩」は、一日に一万歩を目指して歩こう、ということである。(13p)
★もうじき死んでしまうんだから、あとは野となれ山となれ、と開き直るのも、老いの身支度の極意の一つだと思うことにしている。(112p)
★これから先、何が起こるかわからないが、「災い転じて福となす」ことが得意技になっているので、たとえ不運に見舞われても、何とか乗り越えられるだけの覚悟と自信がある。もうそんなに残っていない持ち時間を精一杯面白がって過ごしたいと思っている。(142-143p)
★歳をとるにつれて、物事の先行きが少し見えてくるようになると、ある時点で、このあとはなるようにしかならないとして、成り行きを静観するようになる。しかし、その根拠には、なんとかなる、という醒めた自信のようなものがあるのも本当である。(201-202p)
★若い人はもちろんのこと、高齢になっても、何とかなる、と受動的に考える前に、何とかする、という積極的な発想でことに当たる気構えを持つことが生きる姿勢をしゃきっと整えてくれるように思う。(205p)
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