2021年9月26日日曜日

今朝の地元紙から

 今朝の地元紙に興味深い記事がある。それは「命のビザ」発給で知られる杉原千畝の通説を覆す研究である。一般的にビザ発給はナチス・ドイツのホロコーストに関連づけられていた。ところが菅野賢治は命のビザ発給は「忍び寄るソ連の全体主義から逃れさせるためだった」と『「命のヴィザ」言説の虚構』で書いている。

 菅野は命のビザ」を扱った本や記事の中に一次資料が示されていないことに疑問を持った。「なぜ典拠がないのだろう」と思いつき、3千点の一次資料を検証して導き出した結論から『「命のヴィザ」言説の虚構』を書いた。

 杉原千畝の行動はこれまで美談として取り上げられている。が、菅野は「それでも杉原が難民らの苦境を理解し、自身の判断でビザを発給した事実に変わりはない」として、この行動を勇気ある行動だったという。しかし「その歴史的背景がすり替えられてしまった言説は正さなければならない」ともいう。

 怖いのはナチス・ドイツだった、ではなく「一部のユダヤ難民たちが、ひたすら新しいソヴィエト体制の脅威から逃れようと必死だった」とは驚き。

 ほかにも地元紙に知っている人の記事がある。知っている人とは記者のこと。社会人大学生時代に共に学んだ若い人だ。当時は就職難な時代だった。だが、新聞社や都市銀行に就職した人たちも多くいた。その中で記者になった若者は久しぶりに顔写真付きで記事を書いている。卒業してはや14年が経過した。今や30代後半に差し掛かっているはずだが学生時代と何ら変わらぬ顔がある。今は東京支社勤務のようだが、これからますます活躍するに違いない。頑張る姿が見えた。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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