2020年4月3日金曜日

ダークサイドミステリー「ナチスをだました男 20世紀最大の贋作事件」を見る

 新年度がスタートした。テレビも新たな番組が始まる。昨夜のNHK BS新番組「ダークサイドミステリー「ナチスをだました男 20世紀最大の贋作事件」を見る。
 
 番組HPを見ると「芸術の価値は誰が決める?ナチス高官をニセ名画・幻のフェルメールで15億円サギにかけ、世界に衝撃を与えた天才贋(がん)作師メーヘレンが暴いた、芸術と金と欲望の闇!」とある。さらに「ヒトラー率いるナチスドイツの最高幹部が15億円の名画サギに!?世紀のだましを実現したのは、闇の天才贋作(がんさく)師メーヘレン。大人気画家フェルメール幻の作品への金持ちや権力者の欲望を狙いニセ名画を量産した末に、驚くべき数奇な運命で人生を翻弄された伝説の画家だ。タダ同然の絵を数百万倍の名画に仕立てただましテクニックとは?高名な美術研究者までだまされた、意外な落とし穴とは?芸術と金と欲望の闇に迫る!」とある。
 
 このことは番組で初めて知った。メーヘレンも初めて聞く名前で最後に彼は国家反逆罪で捉えられる。オランダ人であるメーヘレン。ナチス率いるヒトラーとその2番手はナチスが略奪した名画を我が物にした。特に2番手の人物はフェルメールの作品を収集していた。フェルメールの作品のある時期のものは行方不明となっている。元来、正当な絵描きだったメーヘレン。時代は正当な作品を評価しなくなる。そんな時、依頼されたのが高名な画家の絵の修復作業だった。これがうまくいき、思いついたのが有名な絵の贋作を描くこと。これが数億の価格で売れた。フェルメールの所在不明の絵をあたかもフェルメールが描いたかの如く描くとその絵が10数億の価格がついて売れた。これに気をよくしたメーヘレンは贋作を描き続ける。だが彼は次第に麻薬におぼれていき、絵も繊細に描けなくなる。
 
 メーヘレンは「ナチスを手玉にとった男」としてオランダ警察に捕まる。番組ゲストの1人は話す。「美術作品は人間の意義・価値を映す鏡のような存在だった」と。だからこそ「自分の物の見方に自信を取り戻すこと」が大切だという。ところが今や「『美』は専門家が語るようになっている」と話す。自分が見て好きな絵がいい絵だと。これは美学の先生も話しておられた。
 
 国家反逆罪で捕まったメーヘレン。最後にこの絵が贋作であることを証明するために皆の前で絵を描いて見せる。描いた絵を見た裁判官らはこれはフェルメールの絵でなくメーヘレンの贋作と証明する。メーヘレンは絵が判明した6週間後に心臓発作でなくなる。なお、メーヘレンの贋作を集めた美術館がオランダにあるそうだ。
 
 この番組に出たゲストの1人は、本当に自分の気持ちをここで話してもいいのかと念を押して話す場面があった。それは有名な絵でもなんでも自分の判断でなく人の判断で絵の良しあしを決める云々のような話だった。これが「『美』は専門家が語るようになっている」ということだろう。美学の講座を受けて一番感じたことは絵は自分の好き嫌いで良しあしを決める、ということだった。音楽だってなんだって人がいい、と言っても自分の好みとずれることがある。それなのに絵は画商の判断で桁外れな金額で取引されている。いい番組だった。次週はもっとミステリーで怖いお話のようだ。
 
 話は変わって昨日は午前中、川岸の桜を見に行き、帰りにマックスバリュに立ち寄る。初めて行くスーパーだが、大手チェーンのスーパーらしく、野菜売り場を見るといきなりフィリピン産が並ぶ。こりゃだめだ、とぐるっと見て外に出る。大手スーパーは大量に外国産を購入して安く売るのだろう。午後はお寺の護持会費を振込に郵貯のATMに向かう。途中、3人とばったり出会う。いずれも下の名が同じでびっくり。コロナの影響で運動不足になるため、なるべく用事を作って外に出るようにしている。出会った3人も同じらしく外に出ていた。そういえば桜の下ではお花見の家族もいた。家にいるように、と言われても皆、外に出たい!?

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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