今朝の地元紙をみると多くの紙面を「拝謁記」が占めている。ドラマ仕立てで天皇と側近の会話を先日、テレビで見ている。今更、という感じで新聞を読む。以下は先日読んだ『語り継ぐこの国のかたち』(半藤一利 大和書房、2018年)の抜粋。最初に取り上げた宿直の制度が奉安殿を守る制度であるとこの本で知る。この8,9か月間、司馬作品を読んでいる。読み進むうち、それに関連する本に興味がわく。半藤一利や井上靖の著書も目に付く。昨日、井上靖と司馬遼太郎の紀行文と対談集である『西域をゆく』を読み終えた。もう頭のなかは幕末から先の戦争までのことでいっぱいになる。いつも思うのはこのような時代は自分が生まれる前のこと。今、平和な時代を生きている。そこには近い過去の先人たちの暗い歴史があった、と改めて知る。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
★わたくしが子供のころ、学校には必ず奉安殿というものがありました。そこに天皇・皇后両陛下の御真影と、教育に関し賜りたる勅語(教育勅語)というものが、しまわれていたのです。宿直はその奉安殿を守る制度だったのです。019p
★いまわたくしたちはよく万歳をやります。あの万歳は何かというと、もともとはバンゼイといって長寿を祝う言葉なんです。021p
★司馬さんというのは、どちらかというと、坂本龍馬にしろ、河合継之助にしろ、土方歳三にしろ、司馬さんが小説でお書きになったいる主人公というのは、みんな颯爽たる心根といいますか、清潔な精神の持ち主でありまして、それこそ、先見性があり、しかも世の荒波にも決して屈することなく、自分の信ずるところに対してまっすぐに進んでいくような方ばかりが小説の主人公であるわけであります。068p
★しかしこの軍司令官と参謀長は、旅順攻略戦で一体どういうことをやったのか、どれだけの死者を出したのか。それはきちっとした記録、歴史として残してある。戦争での事実は否定しないのですが、一般的には隠すのです。すなわち軍極秘とする。そして戦争というものを華々しい美談で発表し、「神話」をつくりあげ、勝利につぐ勝利の恰好いいものだけにして、世の中に出す。そのひとつが爵位を授けること(叙爵)なんです。そういうことを決めたのが明治四十年。そのころからわたくしたちの日本は大日本主義を選択して、肩肘を張って外へ外へと出るわけです。180-181p
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