2019年1月28日月曜日

「心の傷が夢を見させている」

 今朝もダグニーさんのblogを見る。だが、アップはない。この3,4日、ご自分でブログをアップされていた。それには眠られない、食べられない……などのキーワードが出てくる。親を介護していた時、「快眠・快食・快便」は人が生きる上で大事と思った。これは自分の健康バロメータにも当てはめる。幸い、今はこれらも大丈夫なので元気なのだろう。ダグニーさん、ちょっと気になる。

 図書館で借りた山折哲雄の本を見ると先日の池田一憲の画の掲載がある。本は『賢治の風光』で、その「はしがき」に「池田さんとは今度の仕事を縁に梅原猛さんのご紹介で知り合うことができた」とある。

 先に借りた梅原猛の『少年の夢 梅原猛対談集』(小学館、1994年)に「私は、夢がなかったら人間は人間ではありえない。文明というものはなかった、と思うのですが、このわれわれ人間の中には、とくべつに夢の好きな人、夢に命をかける人がいます。人一倍大きな夢を見て、それを実現した人がいる。私は、そういう人たちには、一つの共通したものがあるように思うんです。それは何か。すべてがそうとはいいませんが、そういう夢を見る人間には、心に大きな傷をもっている人が多いんですね。この人はどうしてこんなに大きな夢をもったのか、どうしてその夢を実現することに一生をかけることができたのかと見ていくと、心に大きな傷、コンプレックスがある場合が多いんですね。その心の傷が夢を見させている――そう思うんです」がある。13-14p

 この「心の傷」を梅原自身や法然を例にして話す。梅原は実の両親ではなく叔父夫妻の子供として育てられた。そこには梅原の誕生と実母との関係があった。そして梅原自身のコンプレックスも心の傷としてあった。また法然上人を研究して「法然は父親の死によって心に深い傷を負った」。法然の心の傷は父が押領使という武士だったことにある。押領使は今の横領の意らしい。そのためいつか殺されると思った父親が自分が亡くなったとき、弔ってほしいと法然をお坊さんにした。「父が殺される」、が法然の心の傷になった。

 この本の「少年の夢」部分は高校生向けの講演を本としている。少年、ではなくても「心の傷が夢を見させている」、これすごくわかる。自分自身、小さい頃に大病を患った、と聞かされて育った。それにより運動コンプレックスは半端でなく大きかった。夢を実現する、そのなかに水泳や自転車に乗ることがあった。これらは人から見れば本当にささいな夢かもしれない。だが、自分自身にとっては大きな夢への挑戦だった。30代後半でこの2つが出来るようになると、それから以降、思うことが何でも実現すると思えるようになったから不思議。

 いろいろとネットで池田一憲を検索すると東京銀座や他でも個展をされている。池田は梅原との出会いで山折哲雄とも知り合った。梅原猛の夢を実現する人を応援したい、との気持ちが池田一憲の絵との出会となっていったのだろう。

 そういえば「空想的な夢を見るのは人間だけだ」のなかに、「芸術がそのいい例です。自分が夢見た世界を、詩にしたり、小説にしたり、劇や音楽や美術にするわけです。まさに芸術は夢の産物ですよね。そうして表現された夢は、現実よりもはるかに魅力的です。すばらしい芸術というものは、みな、現実よりいっそう生き生きとしている。芸術家というのは、そういうすばらしい夢を見る能力をもっているわけです。そういう人間なんですね」とある。12pそして、この本の挿絵は池田一憲が描いている。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

0 件のコメント:

コメントを投稿