忙しいといえば昨夜のテレビ。カープは見たいし、BSは見たいし、と気ぜわしい。ここはカープをあきらめてBSスーパープレミアム「玉木宏 音楽サスペンス紀行 マエストロ・ヒデマロ 亡命オーケストラの謎」を見る。どういっても2時間と長い。それでも吸い込まれるようにして放送を見る。ポーランドに出かけてやたらと目につくようになったナチスドイツ。そしてユダヤ問題。ポーランドは日本と友好的な国。杉浦千畝のビザ発給だけでなく、近衛秀麿もユダヤ人を助けるために尽力していた。
昨夜は戦前ベルリンフィルのコンサートマスターを務めた近衛秀麿とユダヤについて取り上げる。番組HPを見ると「戦前からヨーロッパ・ドイツを拠点に活躍した日本人指揮者・近衛秀麿には、『表の顔』からは想像もできない、もう一つの顔があった。刻一刻と激しさを増すナチスのユダヤ人弾圧の嵐の中で、多くのユダヤ人たちを国外に脱出させ命を救っていたというのだ。しかし、その動機や手法は、いまだに多くの謎につつまれている。マエストロ・ヒデマロはいかにしてその大胆な試みを企て実行していったのか、ドラマ『のだめカンタービレ』でクラシックのジャンルを超えて音楽ファンの心をとらえた俳優・玉木宏が、ヨーロッパ各地を旅し、『音楽史に眠るマエストロ・ヒデマロの謎』の解明に挑んでいく」とある。
映画「戦場のピアニスト」のピアニストもユダヤ人だった。そこで流れるショパンの調べ。聞き覚えがあると思ったらフルート発表会で吹いていた曲だった。映画のモデルとなったピアニストのシュピルマンを近衛は日本に亡命させる。シュピルマンは近衛により日本で演奏活動を行ったクロイツアーの教え子だった。近衛は音楽を奪われた人たちに命懸けの戦いで秘密の演奏会をワルシャワでした。その演奏者は全員がポーランド人。そこにはポーランド人としての誇りがあった。当時のワルシャワの街はほぼ壊滅状態だった。だが、今も演奏会がある劇場は被害を受けながらも建物は残る。
玉木は無理をお願いしてこのコンサートホールで再演を願う。お客は玉木だけ。当時は演奏者も涙を流して演奏したそうだ。この模様は昨夜の深夜に放送される。だが眠くて見ず仕舞い。尚、曲目はシューベルトの”未完成交響曲”。1943年だった。
翌年、ナチス政権下のフランスへ近衛はユダヤ系の人たちを助けようと自ら車を運転する。その底辺は表面的にはナチスを装った近衛だったが実は違っていた。若き音楽家たちが危険にさらされないようにと守った。国境付近まで車で送ってその人たちを脱出させた。車の中では毛布にくるんで身を隠させた。
また国境に至るまでにはレジスタンスと言われた抵抗者の命がけの援助もあった。生き残ったレジスタンスの人たち。ナチスドイツの残忍な当時の様子も映し出される。ポーランドは出かけたばかり。そのためもあってクラクフやワルシャワなどの悲惨な歴史を改めて知る。ポーランドの街の建物が美しかったのも戦禍に見舞われて新たに建てられたからだろう。見ていて一番驚いたのはナチス・ドイツはポーランドの人たちを「劣等民族」と思っていたということ。この言葉に敏感に反応してしまった。ほんまに許せん!近衛もレジスデタンスの人たちも当時のことを決して家族などに口外しなかったという。それゆえ近衛のとった行動は謎めいている。
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