原爆の日を前にして市内は人、人、人。本通りから入る平和公園入り口は原爆ドームを目の当たりにする橋上では政治的なビラ配り、原爆・原発反対の署名活動の学生、それに全国からの観光客で溢れかえる。公園内の土のないコンクリートの道路を歩くと足元からむっとする暑さ。
慰霊碑を通ると式典の準備で椅子やテントも張り巡らされている。広島で育ったヒトは誰彼なく一家に何人かの原爆犠牲者がいるはず。我が家もそう。慰霊碑にはそういった人たちが多数眠っている。
母と一緒に式典に参加したことはない。だが母は、母の姉たち一家が眠っていることもあって元気な頃は毎年式典に参加していた。
その慰霊碑前を過ぎると演奏会会場に着く。昨日は国際会議場でさまざまな催しが行われたらしく、人々でごった返す。1年ぶりのフェニックスホール。指定された席が前から3列目の一番端。
舞台を見るには上を向かないといけない。首がだるくなりそう。そのうえ隣の席の男性は貼り薬の匂いがきつく、それも耐えられない。プログラムを見ると休憩が2度ある。一曲目の演奏が終わると、5,6列後に席が空いている。そこへ移動し最後まで座って演奏を聴く。
2曲目の演奏は韓国の若手ヴァイオリニストのパク・ヘユン。昨日始めてその名を知る。素晴らしい演奏家のオーラを感じる。雰囲気があるというのだろうか。特別他の演奏家と何の違いもないはずなのに舞台が華やぐ。演奏する曲目とも関係ないはず。聴いていて吸いこまれそうになる。と言うよりも聴くものを惹きつける何かがあるのだろう。
アンコール曲は聴いていて何の曲か知らなかった。今、広響のHPで確認するとJ.S.バッハ作曲 「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番“サラバンド”」 だった。
プログラムを見ると演奏する楽器はドイツ音楽財団から貸与されている1781年製のロレンツオ・ストリオーニとか。この楽器がどんなものか知らない。だがストラリヴァリウスのような名器なのだろう。
演奏後、雨が降ってるのかと思ったら公園の噴水が顔にあたる。噴水の向こうの原爆資料館の建物には今日の式典の文字が書いてある。持っていた携帯カメラで写真を撮る。しかし、逆光になってカメラに何が写るのかわからない。適当に数枚写す。やはりきれいに写っていなかった。
2012年8月6日原爆死没者慰霊式・平和記念式典 目にする原爆資料館のバックが式典会場 |
今日の図書館内は子供がいない。多分、毎週月曜日が休館日なので休みと思ったのか、それとも学校に行く日かもしれない。子どもばかりでなく、大人も少ない。
原爆の日といえば働き始めた頃、東京に本社がある会社は地方祭といって会社は休みだった。ところがいつしかそれもなくなる。市役所はさすがに6日は休日。これは原爆関連に人手がいるからだろうか。
今日はこれまでの日々のように太陽は燦燦と輝かず、曇っている。だが蒸し暑い。昨夜も一晩中エアコンと扇風機をかけて寝る。
ともあれ、今年の原爆の日も無事終わりそう。「原爆許すまじ」の歌にある「三度許すまじ原爆を♪~」の三度は「福島の原発」と誰かが何かで書いているのを読んだけど過ちは繰り返してはいけない。
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