カンカン照りの毎日からお湿り程度の雨(?)の曇り空。蒸し暑い。
今日も午前中、予約の本を取りに図書館へ出かける。借りた本は『中国は東アジアをどう変えるか 21世紀の新地域システム』(白石隆 ハウ・カロライン 中央公論新社、2012年)。
この中で、ラオスについて書いている。第三章中国の経済協力から、「ラオスの事例」として中国の対ラオスの経済協力は突出しているという。
中国企業の投資戦略はラオス北部のセメント工場への投資。それは中国政府の「ツー・ステップ・ローンのスキームを利用して、低利資金を中国とラオスの国営企業に供与し、ビジネスと援助をパッケージとして中国のラオス進出を支援する」。ほかにもヴィエンチャン新都市開発事業でラオス政府は2009年の東南アジア競技会開催のために、総合競技上を建設。その際、ラオス政府が土地を提供し、事業費は中国開発銀行が融資し、総合競技上の建設は雲南建工集団総公司が請け負う。
これにより、ラオス政府は土地収用、保証などのかかる費用を除き、競技場の建設と新都市開発において一切の資金負担を免れた。それによって中国企業はヴィエンチャン郊外に大規模な不動産開発用地を取得する。
この「新都市開発」事業とは、五万人の中国人移民を受け入れるための「チャイナタウン」開発事業ではないのかとの論議が起きる。この「新都市開発」事業計画のスキームはラオスで大きな反発を生む。このスキームは、中国では「融資平台(プラットフォーム)」として、都市開発の標準的スキームとなっている。そしてその事業をラオスでは党と政府の要人と結託して、事業を展開している。
このことはラオスでは、人民革命党の党国家体制が安定的に国権を掌握し、中国の「国家資本主義」のビジネスモデルがエリートの結託によって、ラオスの国に移植できるという。この国境を越えたエリートの結託により、政治経済の「中国化」が起こる。それはラオスの国益を定義するパラメータにも変化をもたらす。
こうした結託によりどれほど腐敗をもたらすかではなく、政治的経済的条件のために、そのモデルは比較的安定的に移植されることが重要だと筆者はいう。(以上106p-112p)
中国の台頭は東アジアの地域秩序も変わる。地域の安定と繁栄を維持する鍵は、地域秩序の将来についての予測可能性を少しでも高めることである。そのために筆者は、「日米同盟を維持し、地域的、世界的に経済的相互依存を深化させ、東アジア/アジア太平洋を枠組みとする地域的なルール作りを推進することである。」と述べる。(89p)
この辺りは昨年講演を聞いた渡辺利夫氏の話と共通する。
他のところはまだ読んでいない。気になるところをとりあえずブログに投稿する。
その合間に、ドアホンがなる。モニターで見ると若い親子連れ。ボランティアでこの辺りを回っているという。こういう人たちを見ると日本はある意味、幸せな国。だがある面、この暑い日中に子供を連れて歩くことに抵抗はないのだろうか。子どもにとって「ほかにすることはないの?」と親に聞きたくなる。
ラオスが政治経済の「中国化」になるよりも、日本のこのような子供たちの親からの「感化」が気になる。とはいっても親たちはボランティアだと話す。もしかして立派なことをしていると思っているのかもしれない。
気を取り直して、これからフルートのレッスンに行こう!その前に少し練習して・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿