連日、猛暑日が続いている。その暑さの中、「笠岡100万本のひまわりと倉敷美観地区散策」と銘打ったバス旅に参加する。その目的はひまわり畑にあり倉敷の美観地区にはそれほど興味がなかった。が、出かける前日、美観地区に阿智神社があると知る。この頃のツアーは目的地まで添乗員の案内があるがその後はフリータイムになることが多い。美観地区でのフリータイムは1時間半ある。この間、まだ行ったことがない阿智神社へ行こう、と思った。
ネットで阿智神社に出かけた人のコメントを見るとどの人も階段の多さを書いている。作られたお店などの観光よりも自然にあふれた神社がいい。暑くても階段を登ろう、との意気込みでフリータイムの出番を待つ。
出かけたのは2023年8月2日(水)。この日帰り旅も申し込んで旅費を支払った後に全国旅行支援があると知らされる。バスが広島駅を発車後、添乗員から旅行支援の旅費とクーポン券を受け取る。旅費は現金での返金。クーポン券は今回は岡山県だが、利用期限を見るととっくに期限を過ぎている。(おかしい?)と思いながらも受け取る。後で添乗員の説明によると岡山県は残ったクーポン券を再利用とかでこんなことになったとか。それにしてもいいかげんな県!
広島からだと笠岡までは近い。お笑いの千鳥の2人は笠岡出身だ。その2人は広島のローカル番組に出ていた頃、買い物や遊びに出かけるのは岡山でなく福山と話していた。JRの路線図を見ても笠岡は福山に近い。笠岡のひまわりベイファームは干拓地を利用している。ひまわり畑に到着するまで干拓地にはトウモロコシ畑が延々と広がる。こういった広々とした大自然を見ると本当に出かけてよかったとの思いが募る。
ひまわり畑に着いた。ここも見渡す限りひまわり畑だ。しかし、ひまわりを見るのはいいがどういっても暑すぎる。ひまわりと太陽は切っても切り離せない関係だからそれも致し方ない。カメラを向ける方向にひまわりは顔をだす。というか一斉に同じ方向に顔を向けるひまわり。何と行儀がいい事か。可愛すぎる。
1時間のフリータイムの半分は屋内のベイファームですごす。ここでクーポンを利用しようとすると適用外だった。このひまわり畑は季節ごとに花が入れ替わるとか。秋はコスモス畑となるようだ。
笠岡干拓地のトウモロコシ畑(車窓から) |
笠岡ベイファームのひまわり畑 |
ブロックごとにひまわりの咲く時季が異なる 右側は花も終わり!? |
どのひまわりも顔を太陽に向けている |
広いひまわり畑 |
笠岡ベイファームのひまわり畑を堪能後、バスは移動してせとうち児島ホテルで岐備御膳をいただく。レストランからのロケーションは抜群で瀬戸大橋も目の前に見える。またここで頂くお昼も美味しかった。クーポン券はこのホテルの売店で使い切る。
せとうち児島ホテルのレストランからの眺め |
お昼を済ませてホテルのバルコニーに出ると暑くてたまらない。その後は日本遺産である下津井の町を散策。ここの下津井回船問屋を見学するが冷房がなく、中に入るもすぐに外に出る始末。本来ならば当時の回船問屋の暮らしが判るはずなのにそこまで頭が働かず暑さに負ける。ただ、この近くにあるお土産屋の奥さんはとても威勢がいい人でお土産を買ってくれたお礼にとバスに入りこんで講談を一席ぶって出て行かれた。後で聞くと元高校教師をされていたとか。それにしてもこの暑さの中、元気がいい!
回船問屋を後にしてバスは倉敷に向かう。バス駐車場から大原美術館前までは添乗員が案内する。が、その後はフリータイム。この1時間半を利用して阿智神社へ一人向かう。途中、暑い中、建物の影に座って絵を描いている2人の中学生に阿智神社への行き方を尋ねる。さらに1時間半で行って帰れるかどうかも聴く。「大丈夫」とのことで目的地へ向かう。しかし暑い!少し歩いてさらに親子連れに神社の場所を尋ねるとすぐ近くにあった。
神社拝殿へは3つの階段である米寿坂88段、還暦坂61段、厄除け坂の33段があるという。参道入り口に着くとだいぶ前を人が歩いている。その人たちにつられるようにして階段を上がる。が、ちょっと階段を上るだけで汗びっしょりになる。今回の旅も修行!?この感触が好きなので暑くても足はどんどん進む。やっと神社に着いた!この3つの階段は長寿の御利益がある階段らしく計182段ある。
阿智神社拝殿 |
神社の一番上の石段でしばし休憩。しかし、この石段は太陽にさらされていたためか腰掛けるとお尻が丸焼けになりそうなくらい熱い。どういっても座れるところは階段くらいしかない。階段下に大きな樹木がある。先客はここに何かを敷いて休憩していた。しばし休んで境内を散策する。なぜか一人旅らしき人達が数人参っている。一生懸命参っている人もいる。自分自身、神社仏閣に興味があるモノのそれほど信心深くはない。ただ、自分にとって少々、きつめのことをやる時の感覚が好き!これに興味があって参る。
神社を参拝後、帰りの石段で外国人に出くわす。声をかけると「バルセロナ」からだ。道理ですぐに英語が通じなかった。次に石段の真ん中あたりでまたも外国人に出くわす。親子3人連れだ。声をかけると「オーストリア」からだ。どこから来たかと英語で聞かれたので「広島」と答える。さすがに広島はある意味で世界に名高い。その人たちは明日広島へ行くとのこと。何か食べものは?と聞かれる。「お好み焼き」と答えると「それは大阪では?」みたいに訝られる。そして「大阪はたこ焼き?」と娘は自問自答する。どうも親子連れは覚えたらしい片言の日本語を並べて話したいらしい。こちらも英語は片言だ。が、何であれ、ちょっぴり通じた。ただ、オーストリアへは出かけたことがない。行ってみたくなった
バスにもどると皆さん暑さでぐったりのようだ。もちろん自分自身も暑くてたまらない。自販機でミカンジュースを購入。のどに沁みとおる心地よさ。暑かったけれど神社までよく参った、と達成感に浸る。この感覚がどういっても好きだ。
バスは広島へ向かう。最後のサービスエリアでまたも自販機でミカンジュースを購入。乾いた体に沁みとおる。生きている実感がわく。途中、事故などで高速バスに渋滞情報が入る。予定よりも30分遅れて広島に無事到着。
暑い旅だった。が、気持ちはとてもスッキリと涼やかで充実した旅となった。どんな状況でも暇があればなるべく外へ目を向けよう。先日、姉と電話で話した際、出かけられるときに出かけるようにと発破をかけられた。全くその通り、いつか出かけたい気力も体力もなくなるかもしれない。後悔しないためにも今のうちに惜しまずに何でもやる!?楽しい旅は終わった。
0 件のコメント:
コメントを投稿