昨夕のBSでNHK特集「永平寺」を放送していた。永平寺は何度か放送されている。が、午後6時台の番組であり、しかもBSでの放送だ。もしかして再放送?と思って見ているとテレビ画面の両横にNHK特集、永平寺、1977年放送とある。一目見た限りでは45年前の再放送とは思えないほどのきれいな映像だった。
永平寺、と言って思い出す。今から9年前(2013年)の2月、親を亡くした3年目にスリランカの旅に1人で参加した。福岡空港からスリランカまでは2度のトランジットを経て16時間かかってやっとコロンボに到着する。1度目のトランジット後から現地到着までの長時間、機内の近い席に永平寺で修業された宮崎、長崎、小倉のお坊さんたちが座られた。すぐ横に座られたのは宮崎のお坊さん。すぐにはお坊さんとは気づかずにお話していた。
親を亡くして3回忌を終えてすぐの旅だった。が、機内でお話しするうち、涙がとめどもなく流れ出す。途中からご自身の話からお坊さんと分かった。それも永平寺で修業されたお坊さんだ。永平寺へは若い頃、1度出かけたことがあった。厳しい修行で知られた曹洞宗の本山である。そこで修業されている、と知って関心を抱いてお話した。
飛行機を降りるとき、めそめそするのを危惧されたのかご自分がされていた竜が珠をくわえた水晶の腕輪念珠を下さった。「元気で頑張れよ」、と励ましてくださったのだろう。旅の最初に知り合った3人のお坊さんたちとはスリランカの旅の間中もそれからもよくしていただいた。この旅から帰っても何度か海外や国内の旅に誘われた。そのうち、インドネシアとタイの旅に同行した。どれも楽しかった。トルコ、ミャンマーなども誘われたが1度行ったことがあったので同行せずじまいになる。国内の旅では永平寺に誘われた.が、これは旅の日程など合わず、行かずじまいになった。旅から帰って以降もお寺の情報紙やご自分の著書などを送ってくださった。が、2年前から3人のお坊さんたちは体を壊されている。
さらに別のHPには「吉祥山永平寺は、1244年に道元禅師によって開創された雲水の修行道場であり、150人の若い修行僧たちが黙々と修行に励む。禅の修行はただ坐禅だけではない。食事の作法や廊下の歩き方、風呂や便所の使い方、蒲団の敷き方など朝起きてから寝るまでのすべてが修行である。そして、月に2回の禅問答。雪にかこまれ氷点下10度を下回る寒さの永平寺の冬、午前4時半から午後9時まで修行に明け暮れる若き雲水たちを追う」ともある。
マイナス10度の厳寒の中、はだしで修業に励むお坊さんたち。テレビを見ていてスリランカで知り合ったお坊さんたちもこうやって修行されたのかと思うと頭が下がる。知り合ったお坊さんたち3人はほぼ同世代を生きている。コロナ禍のこの時代、もう一緒に旅をすることは不可能かもしれない。が、楽しかった旅の思い出だけはいつまでも心に残るに違いない。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
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