2022年1月11日火曜日

〈こころの時代~宗教・人生~ 選「100年のアトリエ 画家・野見山暁治」〉を見る

 我が家のテレビは録画機能がついていない。そのため早朝や夜遅くのリアルタイムの番組を見る機会がなかった。ところがそれもNHKプラスの見逃し配信やTVerで四六時中、観ることができる。

 先日の日本画教室で先生と絵を習っている仲間の1人にスマホで閲覧可能と教えてあげるとすぐに設定されていた。日中はほとんどテレビを見ない。が、パソコンでNHKプラスのプレイリストを検索すると早朝や深夜にいい番組をやっている。昨日はその中からNHKプラスで見つけた〈こころの時代~宗教・人生~ 選「100年のアトリエ 画家・野見山暁治」〉を見た。

 番組HPによると「野見山暁治さんはひょうひょうと激動の人生を語る。福岡の炭鉱での少年時代。戦争で断ち切られた東京美術学校での青春。戦後パリ留学を果たすもそこで妻と死別。帰国後、戦争で生き残ったしょく罪のように戦没画学生の遺作の収集に奔走した。融通無碍なその絵に似て野見山さんの言葉は、時に聞く人を煙に巻きながら何にも寄りかからないたたずまいを伝える。絵だけがあった100年に今さら気負いはないが今だから見える風景もある」とある。
 
 元気に長生きされて第一線で活躍されている人の生き方に関心がある。放送の後半にパリで知り合った椎名其二と交わしたやり取りを回想するシーンがある。椎名さんは「若い時は世の中を寂しいと思った」、「歳をとってきたら寂しさが変わってきた」、「この宇宙は寂しいものだと思うようになった」、「自分が寂しいのと宇宙が寂しいのは違う」、「もっと人が長生きするだけ生きてどのように寂しさが移り変わっていくかそれを見てみたい」、「苦しいとか体が辛いというのもどういうものか見極めてみたい」、「せっかく生まれてきたのだからみんな知って死にたい」などと話されたそうだ。

 これを聞いて野見山は「これからはどんなに辛くてもどんどんどんどん辛くなくなってきた、楽天的になってきた、ああみんな、芝居の脚本通りじゃないか」と思ったという。そして「栄光やお金はこの世のものだからね」、「この世を去る人はこの世のそういう物はなにもああここはこの世の事だったんだなと思う」、「たとえ自分が好きだったものがあっても自分の方から消えるから何一つ自分のものはない」と話す。そして番組の最後で「僕はケチだから頂いた命、容易には離さない」という。長生きする人は生きる気合が凡人とはまるで違う。

 年を取るにつれて「楽天的になってきた」の件は100歳過ぎの足元に到底及ばないが、自分自身、そう実感する。2人の奥さんはともに病死され、今は一人暮らし。ただ毎日お手伝いさんと秘書が通ってくるという。今年102歳になられる。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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