2021年5月30日日曜日

秘境中国 謎の民「神秘の森に生きる」&もういいかい 小椋佳ファイナルを見る

 緊急事態宣言のなか、日本画教室に出かける。教室のある区民文化センターに入り、催し物の電光掲示板を見ると2つの催事しかない。受付の突き当りには図書館がある。貸し借りだけの図書館だが、人が多くいた。
 
 教室に入ると6月の教室は中止、と先生の第一声がある。久々の教室に生徒5人全員がそろった。何を基準として休みにするのか、5月よりも6月が市の方針が厳しくなっている。

 樹木を描いている。コロナ禍で教室があったり、なかったりで落ち着きなく描いている。描いている絵は先生のアドバイスは受けるものの、なるべく自分で考えて描く。3時間の教室の途中でしばしカフェタイム。珈琲を調達している間に先生は膠で溶いた絵具の一つに胡粉を混ぜた、と話される。自分なりに少しだけ考えながら描いているが胡粉が入ると更に色が変化する。一枚の絵を描くのにこれまでもすぐには完成しなかった。が、今回はさらにゆっくりでいいから納得いく絵に仕上げたい。そう思いつつ、ない頭を悩ませて絵を描く。

 話は変わって昨夜のテレビ。2つの番組、計3時間を見て堪能する。というか、どちらも結構、重い放送だった。初めに見たのは<秘境中国 謎の民「神秘の森に生きる」>。番組HPによると「中国の秘境、雲南省に広がる高黎貢山(こうれいこうざん)。標高2500mの世界遺産の森に生きる謎の民・ルーモ人の暮らしを半年に渡って記録した▽古代の武器・弩弓(どきゅう)で野生動物を狩り、シャーマンが魔除けの儀式を司る▽祖先は800年前、モンゴルの皇帝を倒して世界の歴史を変えた最強戦士。流浪の旅の果てに辺境の地にたどり着いた▽しかし今、中国政府によって森から立ち退きを命じられ、伝統が消滅の危機に」とある。

 弩弓もルーモ人も初めて聞いた。古い時代の生活そのもので野に住むウサギなどの野生動物を弓を射って仕留め、それを食料にする。体の不調はシャーマンが直す。その際の儀式に豚を供えて「我が一族の前に立ちはだかる病魔を……」と祈りを捧げる。なぜ、こんな秘境にルーモ人は住むのか。800年前、モンゴル帝国のモンケ・ハン第4代皇帝が宋王朝を攻めてきた。モンゴル軍は10万人。対する宗王朝はその10分の1の軍隊で戦った。少数民族を集めた宋王朝が圧勝した。なぜ勝ったのか。少数民族の中にルーモ人がいた可能性があるという。

 中国の古書によると「釣魚城が既に降伏したのならばその罪を許し殺戮を禁じる」とある。フビライ・ハンの時代、ルーモ人は最後まで戦った。が、四川で部隊が敗残になり南下してこの山岳地帯へ連れてきた。そして最後に行きついたのが怒江を渡ってこの地だった。ルーモ人が暮らすキンマ村は宋王朝から2000㎞離れた場所で暮らしている。かつてこの村は中国100名村だった。

 しかし、この美しい村も今は国の政策により集団移住を余儀なくされる。「2020年までに地理的な要因を解消し中国の貧困層を一掃するという政策」だ。新たな村に新たに立つビル群。入居には国から経費は出ず、8000元が必要だ。このお金をどうするか。思案の末、ある人は自分たちで作った木材だけの家屋を解体し、売却して資金を得ようとする。が、金銭を介した生活をしていない人たちだ。買い請け人は家を売る人に言い値の半値(7000元→3500元)に値踏みする。これでは額が少なすぎるので間に仲買人を入れた。さらに解体した木材を下の村まで下すのは自分たちがすると言って6500元で売買が成立。これで何とか移住先に入居できる。

 たとえ入居できてもこれからは野原を駆け回って獲物をとる生活はできない。金銭を得るために働くが彼らにあるのは弓の技術だけ。肉体労働の仕事はない。村を離れる前に最後の猟に出かける。動物のほかに木に潜むハチの巣を見つける。1週間の野宿で3人は40㎏のハチの巣を見つけた。これが高額で取引された。これを機会にハチミツで稼ごうと彼らは考えた。

 原始的な生活から快適な電気・ガス・水道のある生活になった村の人たち。ガスが点くのを見守る目はほほえましい。集団移住後の村は大規模な果樹園になるそうだ。テレビを見ていて村人への有無を言わせぬ国の政策に驚くばかり。10数億の民を動かすにはこれも致し方ないのかもしれない。

 次に見たのは<もういいかい 小椋佳ファイナル~歌作り50年 青春に帰る~>。先日、小椋佳の「山河」が気に入った。その矢先に小椋佳を取り上げた番組があるとは……。この人の一生を垣間見た番組だった。「創造」をキーワードに曲が流れる。歌詞に重点を置いている。ありきたりな歌詞でなく考えに考えた歌詞のようだ。

 「もういいいかい、まあだだよ」と鬼ごっこをして遊ぶ。その鬼が放つ「もういいかい」が最後のステージになった。小椋には病気がある。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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