お天気につられて主のいない2階に上がり窓を開ける。しばらく経って掃除機で掃除する。ついでにと気になっていたライティングビューローを開けるとジッパー付きの小さなビニール袋が目に入る。中を見ると写真が数枚入っていた。写真は2002年2月20日付だ。やたらと「2」が並ぶ。
日付を見てふと気づく。それは秋にリストラされた年だ、と。それなのに写真は意外にも楽しそうに写っている。当時、週1度、夜に通っていたアジア塾の後の飲み会での写真だ。その翌年、8年間通ったアジア塾に別れを告げて大学に入りなおした。写真に納まった人は7名。その中にその年、塾のゼミ担当の若い先生もいらっしゃる。
1枚の写真から19年前のことが鮮明によみがえる。8年間、塾に通っていると8人の先生のゼミを受け、ゼミ以外では何十人、何百人もの先生の講演を聞いた(塾は1年の前半が講演会で後半がレポートなどを書くゼミ形式だった)。どのゼミも楽しく、塾が終われば毎回、何人かで飲んだり食べたりした。それも楽しい思い出だが、職場では到底知りえない様々な職種の人たちと知り合うことができた。塾を離れてお花見をしたり旅行をしたりとその時々の塾生や先生を交えて楽しく過ごしたこともある。
2002年は会社をリストラされる憂き目にあい、その瞬間は悔しかった。けれども、あとになればそれはそれでよかった、とどれほど思ったか知れない。今になってもやっぱりあのリストラが今の自分になっている、とつくづく思う。
写真を撮るとき、ほとんど日付を書き込まない。だが、写真に日付が入っていたおかげでいろんなことがよみがえる。これからは写真に日付を入れて写すようにしよう。
さて写真。7名のうち自分を含めて4名でその年、北海道大学に赴任された若い先生を頼って北海道に出かけた。当時は先生ご夫妻は新婚で、きれいな奥さんともども札幌や小樽をレンタカーを借りて観光した。当時の人と連絡があるのはこの先生ご夫妻だけ。
これまで長く生きてきてたくさんの人たちと知りあった。どんな時も全員とはずっと連絡を取り続けられない。が、なぜか、いつもそのうちの1人だけは連絡が続く。北海道へはその年の夏に行った。旅行から帰って間もなく、アジア塾に行く途中の交流プラザで大学募集案内を手にする。試験はその年の11月。それからがさあ大変。その時、北海道の先生にアイデアを請うとすぐに長い返信メールでいろいろと受験について教えてくださった。
1枚の写真を見て若い先生の教えをありがたく思う。当時20代の先生は19年たってもまだ40代と若い。今は大阪の大学の教授になっておられる。今や、3児の父親だ。
ともあれ今日も元気で楽し過ごしましょう!
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