2021年2月21日日曜日

石段を描く

  昨日は中国地方に春一番が吹いた、と報道で知る。道理で風が強い日だった。ただ、気温はこの季節としては高く17度。

 日本画教室で寺院までの石段に銀杏の葉が落ちているさまを描いている。石段に落ちた銀杏の1枚1枚を描いていると、教室の人から絵のモチーフについて言われる。教室の人は自分を除いて絵が上手だし、長年習われている。その人から1枚1枚葉っぱが描けないような話をされる。こちらとしては逆にモチーフの難しい絵は到底描けない。

 絵を習い始めた年に先生と教室の生徒で八ヶ岳の旅に出かけた。出かけた人たちは先生のほかの教室の人が大半で顔見知りはほとんどいない。どこへ行くにも知らないツアーに入るのは抵抗ないので知らないメンバーも苦にはならない。だが、皆さん、絵を習って何年、何十年選手だ。その中に、わけのわからないものが1人入る。

 あとで先生は「〇〇さんは人とすぐ馴染みそうだったから」と私のことをそう話されて誘ってくださった。それは当たっている。が、絵の素養が全くないものが2泊3日のスケッチ旅行に図々しくもついて行ったと我ながら思った。いざ、スケッチ、と、途中、車を止めて皆さん、スケッチを始められる。何をどうしていいかわからずぼーっとしていたら先生曰く「風景全体を描くのでなく、木の1本でいいから描くように!」。この言葉のおかげで今まで絵を続けてこられたように思う。翌日の八ヶ岳散策でまたもスケッチが始まる。その時は前日の先生の言葉を思い出して山道の石段を降りる際、前方に見える階段を描かず振り向いて下から上がる石段を描いた。

 夜、先生ははがき大にスケッチした皆さんの絵を批評された。自分の絵になった時、先生は石段が面白い、と話された。それもあるのか、旅に出ると描けそうな風景などを写真に撮っている。それ以来、自分が描けそうな樹木の根っこから始まって風景を描くようになった。とはいっても描くたびに絵の難しさがわかる。描いている石段は来週には本画となりそうだ。

 次は、さて何を……。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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