「文藝春秋」新春特別号の新聞見出しを見ると<司馬遼太郎「坂の上の雲」大講義>として片山杜秀と佐藤優の記事がある。その横では「エリートと大衆が分断された今こそ読み継ぐべき国民文学」とも書いてある。2年前の今、大連に出かけた。日本のこの時季は気温15度と真冬並みの気温ではない。ところが、中国東北部に位置する大連は̠̠マイナス10数度の世界となる。最大限の冬の格好をして出かけた大連は案の定、雪景色だった。今でも鮮明に思い出すのは二百三高地。途中でシャトルバスが運行されず、雪の山道を歩いて登った。ツアー8人のうち4人は途中で登るのを断念したが、勇気を出して登った。
その時の旅行で食事は8人の円卓。話題になるのは司馬遼太郎の『坂の上の雲』だった。それまで読んでいた司馬作品は『街道をゆく』シリーズやモンゴルのことだった。ツアーの人から是非とも読むようにと言われた『坂の上の雲』。旅行から帰って読み始めるとそれほど簡単に読める本ではない。ましてや一作品が6巻もある。1巻は500頁以上にも及ぶ。『坂の上の雲』の題材は大連が大半を占める。大連から帰ってすぐだったので興味津々で読んだ。それ以来、司馬作品に関心を抱き、生きている間に全作品を読もうと意気込んだ。
丸2年が経過した今でも司馬作品にハマっている。今や司馬作品を読むのが自分のライフワークとなった。ワードにこれまで読んだ司馬作品を一覧表にしている。改めて読んだ本の一覧を見ると司馬作品への愛着は2年前と変わらず、同じ勢いで読んでいる気がする。人の言葉に影響されやすい性格も、いい方面に導いてくれた人に感謝しかない。今は司馬作品を読まない日々はない。それほど自分の生活の中に大きな比重を占めている。多分、これからもよほどのことがない限り(自分の読む体力がなくなったとか…)死ぬまで司馬作品を読み続けるだろう。
幸い司馬作品は自分がこれから何年元気でいるかわからないけどその間に読むだけの数は十分ある。というか、生きているうちに全作品を読み終える、この願いが達成できるかどうかが問題だ。
『竜馬がゆく』全8巻 文春文庫 2019年3月~5月
『花神』全3巻 新潮文庫 2019年6月~7月
『世に棲む日日』全4巻 文春文庫 2019年7月~8月
『酔って候』 文春文庫 2019年8月
『西域をゆく』 文春文庫 2019年8月 (井上靖、司馬遼太郎)
『ひとびとの足音』文藝春秋 単行本 2019年9月
『翔ぶが如く』全10巻 文春文庫 2019年8月~2020年2月
『歴史を紀行する』文春文庫 2020年2月
『歴史を動かす力』(司馬遼太郎対話選集3)文春文庫 2020年2月
『司馬遼太郎幕末・明治論コレクション幕末維新のこと』ちくま文庫 2020年2月
『空海の風景 上』文庫 中央公論新社 2020年2月
『空海の風景 下』単行本 中央公論新社 2020年3月
『項羽と劉邦』上 文庫 新潮社 2020年3月
『項羽と劉邦』中 文庫 新潮社 2020年4月
『峠』(上) 文庫 新潮社 2020年5月
『峠』(中) 文庫 新潮社 2020年6月
『峠』(下) 文庫 新潮社 2020年6月
『菜の花の沖』(一)文庫 文藝春秋 2020年7月
『菜の花の沖』(二)文庫 文藝春秋 2020年7月
『菜の花の沖』(三、四、五、六)文藝春秋 2020年9月
『胡蝶の夢』(一、二、三,、四)新潮社 2020年12月
0 件のコメント:
コメントを投稿