2020年12月12日土曜日

「姫路城と鳴門の渦潮・淡路人形浄瑠璃と大塚国際美術館 2日間」の旅

 2020年12月5日(土)から12月6日(日)までの2日間、<姫路城と鳴門の渦潮・淡路人形浄瑠璃と大塚国際美術館 2日間>と銘打ったバスツアーに参加する。サブタイトルとして「歴史・芸術・自然にふれる旅」とある。今回の旅は個人的にはGO TOトラベル第7弾目であり、今回をもって一連の旅のフィナーレとした。

 旅のタイトルに吉備津神社が抜けている。これは抜けているのでなく旅行社の気の入れようがこの神社にないということだろう。吉備津神社はこの10日余り前の旅行で出かけている。その日は大安吉日で結婚式や七五三の親子で賑わいを見せていた。しかし、今回は境内はひっそりとしている。前回訪れたとき、添乗員から神社近くにある犬養首相の記念碑を教えてもらった。それにもかかわらず見過ごす。今回は時間もあってゆっくり見ることができた。そして神社境内の紅葉はまだ十分見られた。

第一日目 2020年12月5日(土)
吉備津神社
吉備津神社の紅葉
吉備津神社の紅葉
吉備津神社の紅葉
吉備津神社の紅葉
犬養毅(号は木堂)先生銅像
 この付近一帯は公園として整備され、神社仏閣も多くみられた。
吉備津神社付近一帯の神社仏閣

 吉備津神社参拝後、行程表にある吉備サービスエリアでの昼食を変更して龍野サービスエリアに向かう。行程表を勝手に変更できないらしく電話で責任者にOKを取っての変更となる。龍野は揖保乃糸で有名な素麺のふるさと。コロナ禍で急遽、バス車内での弁当配布ができなくなりサービスエリアで各自昼食となった。ごった返すサービスエリアのフードコート。簡単に食べられる大きな揚げが入ったきつねうどんを食べる、さすがにうどんのつゆは美味しい。他にツナサンドも食べる。うどんの入ったお盆を見るとコーヒーの割引券がある。これまでサービスエリアで食事をしたことがなく、どうやってこのコーヒーチケットを使うのか見知らぬ人に聞くと親切に教えてくれた。100円で飲むコーヒーは美味!

 バスは姫路城へ向かう。世界遺産・姫路城はこれまで2度来ている。が、お城が改修されてからは初めてとなる。桜の時季はさぞかし美しいであろう姫路城。紅葉のこの時季も十分美しかった。とりあえず天守閣まで行こう、と決めて歩を進める。行けども行けども天守閣までは遠い。ここに来て運動不足が露呈する。マスクをつけての移動は息がかなり苦しくなる。それでも小さい子供連れの親子を見ると元気を出して上らずにはおれない。ただ、城内の上に行くほど暗くなる。ここは懐中電灯の出番だ。2時間のフリータイムも天守閣往復でかなりの時間を費やす。

 次に行くときは桜の時季に、と心してお土産店を物色。コロナは来春までに収まっているだろうか。怪しい限り。
姫路城
姫路城の天守閣の神社
天守閣から見下ろす
 天守閣を降りると播州皿屋敷の井戸があった。
播州皿屋敷の井戸
姫路城内の大木
絵になりそう
 姫路城を後にして今夜の宿泊場所である南淡路温泉へバスで移動する。宿はホテル&リゾーツ南淡路。その頃は日没前だったが、しだいに日が沈む。美しい夕焼けだった。露天風呂がある宿でゆっくりお湯に浸る。この日の携帯万歩計は12,531歩とよく歩いた。
バス車内から見る夕焼け
第二日目 2020年12月6日(日)

 淡路島の福良港はホテルからバスで行くとすぐ近くにある。淡路島は玉ねぎの産地らしく、ホテルのロビーには玉ねぎを販売するオブジェの軽トラが置いてあった。
玉ねぎの移動販売車のオブジェ
 ホテルを9時に出てバスは福良港に向かう。この港一帯には渦潮クルーズの観光船や淡路人形座がある。渦潮クルーズも人形浄瑠璃も初めてのことで気分も高揚する。というか淡路島上陸も初めてのことだった。前回の旅でSEA SUPICAに乗って瀬戸内海クルーズを楽しんだ。そのときはデッキに上がってじっとしていると、ちぎれんばかりの冷たさになった。また、吹きとばされそうなほど風も強かった。ところが大型帆船に乗っての渦潮クルーズは速度が緩いためかデッキに座っていても全く寒くない。これが12月の気候、ましてや海の上の気温というほど日差しも暖かかった。1時間のクルーズの間の大半はデッキで世界最大級の鳴門の渦潮を見学した。これは一度は必見の価値がある。クルーズは瀬戸内海と違って太平洋を駆け抜ける。瀬戸内海に負けず劣らず穏やかなクルーズだった。

大鳴門橋
 大鳴門橋は本四連絡橋の一つで鳴門海峡をまたいで淡路島と徳島県の鳴門市の大毛島をとを結ぶ吊り橋である。帆船が橋の下に近づくにつれて渦潮があちこちに見られる。帆船のガイドの「渦潮!」いう声を聴くと「嗚呼!」と乗船客から歓声が上がる。1時間のクルーズもあっという間だ。
鳴門の渦潮
大鳴門橋の下の渦潮
 渦潮を堪能後は港の目の前にある淡路人形座へ向かう。旅に出かける前は全く浄瑠璃に興味がなかった。だが、以前、海外の旅で知り合った米子の友だちが文楽に凝っていて大阪の文楽座に出向いていると聞いていた。それほど面白いならば、一見の価値があるかもしれない、と思い直して今回の旅を申し込む。浄瑠璃も文楽も言い回しが違うだけで同じ、と本を読んで知る。浄瑠璃は500年の伝統があるとか。鑑賞前に館内の案内や浄瑠璃の仕組み、舞台へ上がっての説明、楽屋裏見学、人形を操る3人の役割分担、さらには三味線を使っての語りの書物、などの説明を聞く。この書物は現在まで使用されている。昔はこの書を買うと封がしてあり。それを読むときに封を切ったことから「封切り」という言葉が使われだしたそうだ。
淡路人形座外観
淡路人形座入り口
浄瑠璃の説明を受ける
舞台からの客席
長年使われている語りの書
人形の着物

 人形浄瑠璃の演目は「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段」だった。人形が火の見櫓を駆け上るシーンは裏で人が仕掛けているとはわかっていても迫力がある。係は売店で煎餅の購入をすすめる。長い伝統を守る人形浄瑠璃は今回初めて見たように一般の人にはなじみが薄い。生活の足しになる、と係は話して菓子の購入をすすめる。お土産に3袋購入。

 浄瑠璃を見学後は自由昼食となる。港辺りにお店が並ぶ。ツアーの人と入ったお店のなんと粗末なこと。こんなお店に初めて入った。2000円の海鮮丼を頼んだらプラスチックの容器に入った海鮮丼とわかめの汁がついて出た。お盆に入れず、海鮮丼の中にはだしもかかっていない。ましてやワサビもない。ツアーの人が小皿を、と告げると金属製の小皿をだして「これしかない」という。さらに「だし?」と告げるとなんと紙パックに入っただしが出た。こんな海鮮丼、と思いながら呆れて食べる。ゆっくり他のお店を探せばよかったと思ったのも後の祭り。お店に入るときには気をつけよう。

 いやな気持でお店を出る。次に向かうは大塚国際美術館。世界の美術品を銅板名画に模して展示している。館内をすべて見るには4キロも歩くとか。40分間は係のギャラ―リートークを聞きながら絵を見て歩く。館内はコロナがなんじゃ、と言わんばかりに混雑している。いくら立派な美術品でも所詮、偽物。その感覚が抜けずいい加減に見て歩く。システィーナ礼拝堂もずいぶん前にバチカン市国で本物に接している。係の話を聞いた後は各自で館内を見て歩く。だが、広すぎて歩くのに疲れる。ツアーの人とカフェに入った。

 カフェはカフェド・ド・ジベルニー。ここで季節限定の「ムンクのどら焼きセット」を頂く。ツアーの人と「昼食を美術館で食べればよかったね」、とぼやく。館内のカフェに座ると俄然元気が出る。美術館のカフェで珈琲を飲んでゆっくりする、は理想の美術館見学のスタイル、と誰かが話していた。まさにその通りでその点ではカフェに入って正解だった。どら焼きは餡が白と赤の二重になって入っており美味だった。急須の飲み物は「阿波番茶」というそうだ。初めて飲む味だった。

ムンクのどら焼きセット
 元気が出たところで残り1時間足らずを見て歩く。係の説明があった際、「カッパドキアの……」と話した時に外から見えた景色がよかった。そこを探して歩く。だがその時は太陽が影ってきて、さきほどの光景ではなくなった。それでも人に何度も聞いてやっと着いた場所なので感激もひとしお。その前にある聖テオドール聖堂の説明だけを記念に写した。なお、カッパドキアはまだ行っていない。

 なぜかゴッホの絵に惹かれる。今は焼けて焼失したゴッホの絵がこの美術館のパンフの表紙になっている。他にもゴッホの絵ばかりを集めた部屋にも入った。絵を見ても本物でない、との印象が頭をかすめる。館内の絵を見ていると人が多くて息が詰まりそうになる。やっぱり外がいい、と思ってオープンスペースに出ると外の景色が美しく思えた。自然に勝るものなし、との思いを強くする。
オープンスペースからの眺め
 1泊2日の淡路島の旅は2日とも晴天のうちに終わった。そしてGO TOトラベルもフィナーレを迎えた。広島駅に着くとペデストリアンデッキに例年この時季に飾られるクリスマスツリーはなく箱だけが置いてあった。この大きな箱は何の意味!?2日目の携帯万歩計は9,429歩。7回のGO TOトラベル参加はいずれもよく歩いた。またどの旅もお天気に恵まれたいい旅だった。そして、元気、とりわけ足が強くなければどこへも行かれないとの思いを強くした旅だった。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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