2020年12月29日火曜日

「良心を束ねて河となす 〜医師・中村哲 73年の軌跡〜」 を見る

 昨夜はNHK・BS1スペシャル「良心を束ねて河となす 〜医師・中村哲 73年の軌跡〜」を見た。ニュースをはさんで2時間の番組だ。番組冒頭は中村の不幸から始まる。ちょうど1年前に凶弾に倒れた中村は自分と同時代を生きている。アフガニスタンで井戸を掘った人、とのあいまいな思いのままに見ていると思い違いも甚だしいと気づく。番組HPによると以下のようだ。

★2019年12月、アフガニスタンで銃撃により命を落とした医師・中村哲。長年、戦乱が続く地での医療活動に、飢餓を救うための用水路建設に奔走した中村の生涯に迫る。 中村は、戦乱が続くアフガニスタンで活動を続け、医療体制を整備。さらに、用水路の建設で荒れ果てた土地を恵み豊かな大地へと変え、65万人分の食料生産を可能にした。九州福岡出身。元々精神科医師だった中村が、なぜアフガニスタンに傾注していったのか。そこには、どんな思いがあったのか。番組は、生い立ちや仕事を知る20人余りにインタビュー。様々な活動を記録した貴重な映像と共に、医師・中村哲の足跡を振り返る。

 土木とは全く関係ない人が用水路建設に携わるようになると図面の設計から学び始める。最初は山好きが昂じて募集のあったヒマラヤ高山の医療従事者として応募する。医療も専門の精神科医以外に幅が広がり、ついには外科手術を学んで施し始める。さらには医療だけでは困難を極める人々の助けにならないと思いに至る。それには水が必要だった。

 20年くらい前にアフガニスタンを襲った大旱魃。そこで一念発起して大河を流れる水を用水路に引こうとする。それには用水路建設が必要だった。用水路には堰が必要と考え、直線の堰を作る。ついに用水路は完成した。が、10年後に襲った大洪水でせっかく作った用水路が破壊される。そのころ10歳になる次男の脳腫瘍発覚。人にはそのことを知らせず用水路建設にかける。大洪水になっても壊れない用水路を作ろうと故郷の筑後川を流れる山田堰の用水路を5日間かけてじっと見つめる。そのとき堰は直線ではなくカーブであると気づく。

 日本の土木技師も建設に加わるが日本の専門家であっても堰をカーブにすることは学ばなかったという。次男の病気を気にかけながらもアフガニタンに戻る。戻ってすぐに堰をカーブにすると大きな石も大河に流されなくなった。こうして堰が完成。長い用水路に水が流れ、肥沃な大地は水田地帯となる。これにより65万人の人々の命が救われている。

 用水路建設までにたどった道のりは遠い。一つ一つの困難を乗り越えていく様子は涙なくしては見られない。先日の辻井伸行の番組もそうだが、この番組は2時間の間ずっと涙があふれ出た。コロナ禍で半ば感情をなくした生活だった。が、番組を見てやっと感情を取り戻せた気がする。

 今、アフガニスタンの地に中村を称える大きな碑が建っている。脳腫瘍でなくなった次男に約束した用水路建設。中村は次男に誓った。いつか俺もそちらへ行くから待ってろ、と。それにしてもこの番組のタイトル「良心を束ねて河となす 」はなんと素晴らしいネーミングなのだろう。

 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!

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