昨夜はNHK・BS「英雄たちの選択 琉球スペシャル第2弾▽辺境の声を聞け!探検家・笹森儀助の挑戦」を見る。番組を見て初めて知る笹森儀助。携帯電話の広辞苑にもその名は見当たらない。電子辞書を調べると載っている。この番組で一番驚いたのは「人頭税」。この税は人を奴隷の如く扱ったらしい。この言葉も初めて知る。
番組HPには「明治12年琉球藩は廃止され、沖縄県が誕生する。しかし、人々は、重い税と風土病に苦しんでいた。探検家・笹森儀助は、沖縄の島々をめぐり、その窮状を世に訴えた。探検家・笹森儀助は、青森県弘前の士族の家に生まれた。日本中を旅行し、北海道の千島探検の記録を出版して、天皇に奏上されるほど評価を得た。これを契機に、時の内務大臣から、沖縄の調査を依頼され、沖縄探検に出発する。ハブとマラリアの地への決死の思いの旅だった。ところが、現地で、笹森が眼にしたものは、厳しい自然だけでなく、人頭税という重い税に苦しむ人々の姿だった。探検家・笹森儀助の苦悩に迫る」とある。
人頭税を辞書で引くと「租税」とある。これは金持ちも貧乏人も等しく税として納める。貧富に関わらず同率の税ならば貧乏人は苦しすぎる。貧しい人たちは国の政策で村ごと全員他の地へ移住させられ、そこで厳しく働かされた。この様子を見た笹森は自分の経験したコトを文にする。笹森は現地へ赴く際、そこに住む人々の目線で話したり見たりできるように、と蝙蝠傘をさして、芭蕉布で織った着物を纏い、団扇を腰につけて沖縄探検に出る。後年、笹森は青森市長となり70歳でこの世を去った。
番組のゲストにチベットなどの探検家角幡唯介が出た。この人は探検家の目から笹森について話す。見ず知らずの土地に出かけて現地の人とコミュニケーションをとるにはその人たちと同じ目線で、同じような格好で接触するのがいいという。その点、笹森は完ぺきだったようだ。
いつもながら、なぜか明治前後からの時代に関心がある。興味をそそられる面白い番組だった。先日読んだ本は瀬戸内寂聴の「青鞜」の頃のエッセイ。これも吸い込まれるようにして読んだ。殺人的な猛暑の日々。外に出ても暑いだけ。それならばと家で本を読む。昨夜の番組でまたゲストに出ていた人たちの本が読みたくなる。今日は最高気温34度の予報。早目に図書館へ行って角幡唯介の本を借り、家で読もう。
ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!
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