2018年5月31日木曜日

「新緑の信州ひとり旅3日間」

 2018年5月23日(水)から2018年5月25日(金)までの3日間、「新緑の信州ひとり旅3日間」と銘打った国内の旅に参加する。参加人員は14名。当然、全員ひとり参加だ。9時15分、福岡空港国内線ロビーに集合。広島駅7時26分発の新幹線「みずほ」に乗車して1時間で博多駅到着。博多から福岡空港までは地下鉄に乗って3つ目の駅にあり交通の便はいい。今回も新幹線は往復「おとなび」利用。行きは「みずほ」で正規運賃よりも3割安、帰りは「こだま」利用で6割安だ。お蔭で広島⇔福岡往復は正規運賃の片道切符よりも安く行けた。
 
 今回の旅の目的は水芭蕉に会いに行くこと。そして信州の自然の美しさを堪能すること。「新緑の信州…」とあるように目に入るのは緑の若葉。どういっても今回の旅はよく歩いた。ここからは楽しかった旅の模様をアップしよう。
 
1日目 2018年5月23日(水) 小雨 広島駅🚄博多駅🚇福岡空港国内線ターミナル✈松本空港🚌上高地🚌栂池高原(宿)
 
 朝早い5時45分に起床して福岡空港国内線出発ロビーを目指す。ところが、生憎の雨。翌日の天気予報も長野は雨マーク。先が思いやられる気持ちを振り払って我が家を出る。小さいスーツケース、ショルダーバッグ、そしてリュックサック。これは旅の定番必需品。海外も国内も宿泊が伴えば同じ旅支度。ただパスポートの有無が違うだけ。しかし、今回は歩くところが多い。以前購入したトレッキングシューズで出かける。これは優れもので楽に歩けた。
 
 10時5分 福岡空港を離陸して1時間半で松本空港着陸。搭乗後、機内に漂う珈琲の香り。飲み物として配られる。これは本当に美味だった。それに小さいハート型のチョコもいただく。飛行機を降りる際、機内で信州の冊子が配布される。今回の旅は初めて行く場所で予備知識もない。冊子をもらってよかった。松本空港の気温15.2度。湿度71%で少し肌寒い。
 
 上高地 
 
 お昼は各自持参したお弁当をバス車内でいただく。列車や機内で食べることはあってもバス車内ではあまりない。ましてやくねくねした山道をバスは走る。その後の下車から観光が始まる。食べてすぐなのでバス酔いしそうになる。上高地の気温10~12度。小雨。バス車内は暖房が入る。尚、上高地の標高は1500m。
 
 もらったチラシによると「上高地は、『特別名勝』『特別天然記念物』です」とある。これは日本で初めて1952年に制定される。添乗員はチラシを配るとどこで下車して歩くかを問い始める。これを聞いてびっくり。皆を連れて行くとばかり思っていた。これぞ「ひとり旅」と気づき、大部分が下車した大正池でなく上高地帝国ホテルで下車してそぼ降る雨の中、3人で歩を進める。雨は降っても新緑の中を歩くのは気持ちいい。全く予備知識もなく出かけた。これがきっかけで次の観光地から「ひとり旅」の要領がわかってくる。2時間のフリータイムで木道を歩く。後でもらったチラシを見ると行き先別の歩行時間が書いてある。大半の人が下車した大正池で降りても集合場所の上高地バスターミナルまでは充分歩ける時間だった。
 
 歩きながらウロウロキョロキョロといい光景を探して写真を撮るのが忙しい。どこも絵になる場所で美しすぎる。ひたすら横を流れる梓川の水を眺めながら雨の木道を滑らないように歩く。バスターミナルのトイレはチップ制で200円。外国では有料トイレは珍しくない。しかし日本では初めての経験だった。

帝国ホテル前下車後の木道を歩く

梓川

上高地・梓川にかかる河童橋


新緑の信州
 15時10分 上高地での2時間のフリータイム後、バスは出発。1時間後、PAでトイレ休憩。この頃には雨も止む。栂池高原にある丘の上のホテル宮川に17時半到着。夕飯は1時間後だ。福岡空港で最初に知り合った人と同席して夕飯をいただく。この人とは旅の間中、同席する。食後は大浴場に入り、早めに就寝。どういっても旅の初日はいつも早起きなので夜になるとすぐに眠くなる。午後9時半就寝。ホテルは栂池高原にある丘の上のホテル宮川。スキー客が宿泊するらしく、ホテルというよりもペンションのようだった。ここに連泊。
 
2日目 2018年5月24日(木) 晴れ 栂池高原🚌信州鬼無里・奥裾花自然園🚌小鳥が池🚌戸隠神社奥社👣戸隠森林自然園🚌栂池高原(宿)
 
 信州鬼無里・奥裾花自然園
 
 8時にバスは出発。バスは中型で14名の参加人員なのでほぼ1人2座席になる。1時間で信州鬼無里の奥裾花自然園に到着。以前から水芭蕉が咲く場所として尾瀬と鬼無里は知っていた。ところが日程表を見ても「鬼無里」の文字がない。現地でもらった奥裾花自然園の簡単な地図を見ると「鬼無里・奥裾花自然園」と明記がある。ここは憧れ続けた「鬼無里」だ。しかし、今年の水芭蕉の開花時期は他の花も開花が早く、水芭蕉もその例にもれないそうだ。添乗員からそう聞く。現地についてバスからシャトルバスに乗り換えて観光センターで話を聞くと奥裾花自然園の今池湿原辺りではまだ水芭蕉が咲いているという。
 
 もらったチラシには「大自然に浸る・学ぶ・安らぐ。奥裾花自然園」とある。まさにその通りでこの自然園は長野県が明治100年記念事業として末永く大自然を保護し、楽しみながら自然を探勝し学べるようにと開設されたそうだ。もらった地図を見ると2時間コースと3時間コースがある。だが、今回の旅は2時間コースで各自散策。2時間コースと言ってもシャトルバスに乗り換えたりするので実際は1時間の散策で忙しい。自然園内の湿原は2か所あり、ブナ林コースもある。時間の関係で今池湿原のコースを歩く。歩き始めると水芭蕉が咲いている。しかし、湿原の奥の方だ。湿原を1周すると水芭蕉が咲いているところに着いた。水芭蕉の咲き始めは葉っぱも小さい。ところが咲き終わると葉っぱは1mくらいの大きさになる。尚、湿原は標高1240ⅿに位置しており、高山植物も咲いている。だが、その名前がわからない。

絵になりそうな樹木だ
 
可憐な水芭蕉が咲いていた!





エンレイソウ
水芭蕉のアップ 黄色いのが花






残雪


 
 
 妙高戸隠連山国立公園 
 
 鬼無里・奥裾花自然園を観光後、お昼は戸隠名物の戸隠蕎麦をいただく。旅の参加者は九州の人が多い。その中に1人広島人が混じる。広島も九州も蕎麦文化でなく、うどん文化圏。これは参加者の一致した意見。そのためか蕎麦の美味しさが今一歩よくわからない。ましてやうどんは温かい食べ物。しかし蕎麦は冷たい食べ物のイメージがある。それでもめったに食べることのない本場の蕎麦をいただく。
 
 食事後、駐車場に出ると向うの山に残雪を頂いた北アルプスが見える。雪山を教えてくれた80歳の人は今回の旅に出る前、気が重かったと話される。出発した日の福岡のお天気が悪く、翌日の信州も雨の可能性を心配された。しかし、2日目も3日目も最高のお天気で「来てよかった」と嬉しそうだった。
お昼のレストラン駐車場から見る残雪の北アルプス

お昼のレストラン駐車場から見る残雪の北アルプス
 小鳥が池

 お昼のレストランからバスに乗車して5分で小鳥が池到着。道から少し歩くと目的地の小鳥が池に出る。ここは野鳥や湿生植物が数多く生息する。池は気象条件によっては戸隠連峰が逆さに写るそうだ。後で知ったのでうまく写真がとれず残念!

小鳥が池
戸隠連峰のふもとにある静かな池
気象条件によっては水面に写された戸隠連峰が見える

小鳥が池

小鳥が池を散策後、
バス駐車場に戻る道中に見上げた空は真っ青
 戸隠神社奥社参道入り口~戸隠神社奥社

 再度バスに乗り、戸隠神社奥社参道入り口に向かう。バスを降りるとガイドと合流。添乗員は前日4Km 歩くと話す。この距離がどのくらいか不安。しかし1kⅿほど毎週プールで泳ぐので4kⅿは歩けるはずと気を強くする。日程表には1時間半のウオーキングとある。しかし2時間半ほど歩く。距離も4kⅿよりも長かったようだ。

ガイドと合流後、戸隠神社奥社に向かって歩く

 歩き始めは平たんな道でこれは楽勝と思った。ところが奥社へ近づくと段になっている。標高は戸隠神社中社で1200m。奥社はこれより奥まっているのでさらに高いかもしれない。登り道で下山する人に「あとどのくらい?」と聞くと「もうすぐです」。そう聞いても歩くのは大変だった。気温は高くなくても顔から汗が噴き出る。奥社に到着すると置いてある椅子に腰かける。ところが85,6歳の人も元気に登っておられる。添乗員はその人に腰かけるようにと促す。お元気そうなので話を聞くとこれまで日本の山を登りつくされ、先月も木曽に出かけられたそうだ。

ニリンソウ
 
奥社参道の杉並木

以前、吉永小百合がこの穴に入って映画の撮影をしたそうだ
今は木が荒らされるので注連縄をかけている
ガイドが若い人にそう説明してもほとんどは吉永を知らないと笑って話す

戸隠神社奥社鳥居


戸隠神社奥社



 戸隠神社参拝までにニリンソウを目にする。歌では知っていても実物は初めて見る。緑の中に白い花が咲くから美しいと誰かが話す。


  戸隠森林植物園

 戸隠神社参拝後、ガイドは時間もあるので戸隠森林植物園に連れて行ってくれた。ここは国内有数の野鳥の宝庫らしく、バードウオッチングの人たちも多い。また水芭蕉の大群落がある。しかし、ここでの水芭蕉の開花時期は終わっていた。開花時期を過ぎた水芭蕉は1mくらいの葉っぱになる。葉っぱだけでも水芭蕉は美しい。

これは絵になりそうだ



コゴミ

山シャクヤク

戸隠森林植物園

 戸隠森林植物園を見終える頃、カメラを手にする人が大勢立っている。この人たちから1時間半前にクマが出没したと情報がある。「クマを撮るために立っている?」と問うとバードウオッチングの人たちだった。この看板はクマ出没に備えて立ち入り禁止を促す。かなりの観光客がいてもクマは出てくると思うと怖くなる。

戸隠植物森林公園の水芭蕉は開花時期が終わっていた



オオバキスミレ

 
戸隠森林植物園を出るところでミソサザイを見る
ミソサザイは添乗員に写真を撮ってもらった
 15時半、2時間半ほど戸隠森林植物園を歩いた後、バスに乗ってホテルに向かう。
 17時半、ホテル着。ホテルは連泊で昨夜と同じ丘の上のホテル宮川。ホテルに到着して1時間後に夕食。バスの車内で隣の人に今夜はビールを飲もうと話す。2人ずつの席を6人がくっつけてビールで乾杯。さすがに山の中のホテル。お刺身はなくほとんどが山菜料理。だが、楽しい夕餉となった。この日の携帯万歩計を人に聞くと17000歩。前日は6000歩くらいだった。旅行とはいっても今回は山歩きというかハイキング。家からトレッキングシューズを履いて出かけた。これは大正解!
 
 戸隠でもらったパンフにはいいことが書いてある。ここに載せよう。
 
 歩いてください
 そして、感じてください
 残雪の大地から、萌え立つ春の香りを
 新緑の林に 注ぐ木漏れ日を
 早秋の高原に 流れる雲を
 新雪の森の 明るさを
 
 そのすべてが、神域体験
 あなたの心を清め、身体を癒し、
 忘れていた何かを思い出させてくれるでしょう
 
  下の写真と同じ位置から写した奥社参道の杉並木をバックにして上の言葉が掲載される。
奥社参道の杉並木

3日目 2018年5月25日(金) 晴れ 栂池高原(宿)🚌親海湿原・姫川源流🚌大王ワサビ農場🚌松本空港✈福岡空港🚄広島駅
 
 栂池高原丘の上ホテル宮川周辺
 
 バスは9時出発。それまでホテルのあたりを歩く。ホテルは栂池(つがいけ)高原にあり、すぐ近くはスキー場らしい。冬場はスキー客で春になれば登山客で賑わうのだろう。ホテルの部屋から雪を頂く北アルプスが見える。外に出るとさらに良く見える。あたりに咲いている花はどれを見ても綺麗だ。写真を撮るが花の名前がわからない。
 
栂池高原の丘の上のホテル宮川の部屋から外を見る


 
 



 姫川源流・親海(およみ)湿原

 9時にバスは出発して姫川源流に向かう。この日は女性のガイドがつく。日程表では1時間半の歩行時間。姫川源流と親海(およみ)湿原は前日の戸隠神社奥社と比べて平坦な木道。これは楽に歩ける。とはいっても景色を見ながら歩を進め、ひっきりなしに写真を写す。ガイドの近くにいてもいつの間にか後ろになる。皆について行くには忙しすぎる。親海湿原にも水芭蕉がある。信州3日間の旅で歩いたすべての場所で水芭蕉が咲いていたとは…。花の時季にはこの辺り一帯は水芭蕉の群生地で一斉に開花するのだろう。GW辺りが水芭蕉の開花時期かもしれない。
宝鐸草 (ほうちゃくそう)
花言葉は「あなたを離さない」

 今回の旅でガイドに改めて聞いた宝鐸草 (ほうちゃくそう)。メモして覚えた。水芭蕉に次いでこの花に惹かれる。可憐な花でユリの一種らしい。この写真からこの花の絵を描こう。あまりにも可憐な花なのでネットで花ことばを調べると「あなたを離さない」だそうだ。


親海(およみ)湿原


 






 
 アヤメやカキツバタなど似たような花は正式名が判断できない。ガイドによるとアヤメは目があるからアヤメだとか。また楓(カエデ)はカエルの手に似ているからカエデになったそうだ。

 
魚釣りの子供の声がする

 静かな湿原内から子供の声がする。魚釣りをしている子供だった。これも絵になる。だが、描けそうにない。絵を習い始めて旅先で絵のモチーフになる写真を撮るのが楽しみとなった。いつの日か、自然に溢れる風景画を描いてみたい。


姫川源流


モリアオガエル





 

絵になりそうだ


これも絵になりそうだ
🎵兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川~♪、そんな風景。


バス駐車場の花壇に咲いていた
 大王ワサビ農場

 大王ワサビ農場見学の前にお昼をいただく。山菜料理と蕎麦、それにご飯がつく。ご飯は炊き込みご飯。ご飯以外はすべて冷たい。食事中、一段とにぎやかになる。何と某国の御一行様だ。ここは何処?まるで中国だ。中国の旅ならばこの現象はわかる。しかし、ここは日本。日本で食事場所が一緒になるのは初めての経験だった。それにしても中国人は冷たいモノを嫌がる。日本の山菜料理、それも佃煮みたいなものが口に合うのだろうか。不思議に思った。
大王ワサビ農場での昼食

大王わさび農場での昼食

大王ワサビ農場での昼食
ご飯以外は料理が冷たい

 食事後、クリアポートに乗船する。旅の詳細を知らずに来たのでオールで漕ぐと知ってびっくりする。「ポケットには何も入っていませんか?」と係りは問うてもリュックを背負っている。そのままで救命具をつけたので係りはわからない様子。あとでリュックは外して救命具をつけるのだったと気づく。とはいってもクリアポートは転覆せず大丈夫だった。それにしてもオールで漕ぐのは大変。クリアポートに座る格好にも違和感を感じて変にいろんなところに力が入る。まあ、これも経験と思えばそれで由としよう。
各自長いオールを手にしてクリアボート(舟)を漕ぐ



水面




 
 2,30分くらいクリアポートに乗船後、ワサビ農場を見学。覆いを被せた下にワサビ田が広がっている。下には水も流れていた。3日目の携帯万歩計は10000歩くらいだった。
大王ワサビ農場
 



 
 
 「新緑の信州ひとり旅3日間」の楽しい旅は終わった。それにしてもいつになくよく歩いた。まだ歩けると気を良くして我が家に帰る。国内も出かけていない地域がある。行けるうちにせっせと出かけよう。写真のアップが多すぎて長いブログになってしまった。どの写真を削るか難しく、写した写真はほとんどアップ。それにしてもやっぱりいい旅だった!
 
 ここで今回の旅の教訓。日本の宿、ましてやペンション風の宿には珈琲がない。スティックの珈琲やティーバッグを持参すること。花や鳥の名前を聞いてもリュックから手帳を出していては間に合わない。メモとペンをポケットに入れてすぐメモすること。
 
 楽しい信州の旅は終わった。信州は広い。春の新緑、秋はまた別の顔があるのだろう。また行こう!
 
 ともあれ今日も元気で楽しく過ごしましょう!