2014年3月27日木曜日

ヴァニタス“Vanitas”

風は強く吹き、春が一気にやって来た。

今朝は西条に出かけて美術の講座を受講する。今日のテーマはジャンル画。毎度のコトながら初めて聞くキーワードが並ぶ。

先日、西洋の美術を習うにはキリスト教と西洋史の知識が欠かせないと気づく。まずはキリスト教を理解しようと思った。以前、人から送られた『聖書物語』を読む。しかし、これを読んでも簡単には理解できそうにない。

ともあれ今日はジャンル画。ジャンル画には静物画、風景画、人物画がある。ジャンル画を描く人はジャンル画家で、“手の加えられていない死んだ自然を模倣する者”。この反対に、“感じ生きている自然を模倣する者”は歴史画家。このことをディドロは『絵画論』で述べている。

静物画のジャンルのひとつにヴァニタス“Vanitas”があり、現代にいたるまで西洋美術に大きな影響を与えている。ヴァニタスは「空しさ」で旧約聖書の『伝道書』1節2章にあり、“Vnitas vanitatumu omnia vanitas”(コヘレトは言う。なんという空しさ、なんという空しさ、すべては空しい)の意。

近代の西洋画を見るとユリの花、月桂樹、砂時計、果物、楽器などが出てくる。これらは人生のはかなさと結びついている。

これはどういうことかネットで調べると砂時計は人生の短さ、今日、講義で見たレモンは、見た目は魅力的だが味わうと苦いという人生の側面をあらわしているらしい。

これからは西洋絵画を見る際、キリスト教との関係を知るとその見方もすこしは変わていくだろう。

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