2013年8月9日金曜日

『聞く力』

昨夜のスペイン語の“media”のキーワード。これは「半分」とか「30分」の意味。ところが、これが変じて、からだの半身を身に付けるものに変化するとストッキング、ソックス、はてはメリヤスにもなる。外国語を学んでいてこれはおもしろい。

他にはフラメンコの季節なのか、スペイン語の人たちも明日、明後日は市内でフラメンコの催し物に参加するという。だが、どちらも用があるので行かれない。 

今朝は一昨日調子を崩していた友人に電話する。朝食はまだの様子だが、元気そうな声だった。3,4日、家で休養するとのこと。それもいいかもしれない。 
電話をきると、先ほどまで自転車に乗って出かけ、用を済ませる。それにしても暑い。 

1月に予約した本をやっと読む。筆者はお見合い30回以上云々を述べている。よくぞここまで書いてくれました、と思うと同時に身につまされるものがある。

母も妹に先を越されたモノにたいして、いろいろと危惧することもあっただろう。だが、その母も自身が衰えるにつれてわが娘を手元におきたかったのでは、と思うこともある。そんなこともすべては過去のこと。元気で楽しく暮らしている今となっては、それも由としたい。それにしても筆者の父親がいう「ズボンはいてりゃ誰だっていいだろう」の件は、ひどすぎる。 

この本を読んで他にも「今日は一段と・・・」の件も、当てはまる。家の近所に80過ぎの感じがいい人がおられる。その人は外でバッタリ出会うたび冗談交じりでそう話される。介護する人の世話役をされていた。あまりにも話題が可笑しいのでついつい長話になる。これも「聞く力」!? 

『聞く力』(阿川佐和子 文藝春秋 2013年)、サブタイトル「心をひらく35のヒント」を読んだ。またいつものように気になる箇所をメモしよう。 

★ 不信感を相手に抱かさないためにも、私はできるだけ余計なものを排除して、会話に集中することを心がけます。質問の内容はさておき、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」という態度で臨み、きちんと誠意を示すことが、まずはインタビューの基本だと思うからです。56ー57p 

★ 人生において誰かの「一言」がどれほど大切なものであるかを考えるとき、インタビュアーのほんの小さな相づちも、「きちんと打たなきゃダメだ」と肝に銘じます。85p 

★ 「・・・私が二十七歳になったとき、忘れもしない、父はこう言ったんですよ。『二十七とイヤア、歌舞伎の世界では老婆だ』って。ひどいでしょう。その頃から、『いちいちケチつけてないで、ズボンはいてりゃ誰だっていいだろう』と言い出したんだと思いますね」130-131p 

★ 私は週刊文春の対談を始めるにあたって、城山三郎さんんのような、『名相づち打ち』になることを目指してきました。・・・対談を始めて四年後、河合隼雄さんに出会い、「ただ聞くこと。それが相手の心を開く鍵なのです」そう教えられ、後ろ盾を得た気持になりました。149p

★ 一つの答えをさらにかみ砕いて話してもらいたいと思ったときに便利なのは、オウム返し以外にも、「具体的には?」や「たとえば?」などです。159p 

★ 「わかるわかる」は、そもそも親切心から発せられる言葉に違いありません。でも、言い方を少し間違えると、あるいは安易に使うと、ときに傲慢と受けとめられる恐れがあります。190p 

★ 「これはこれは。また今日は一段と・・・」必ず決まり文句をおっしゃいます。・・・どうやらその真意は、「こう言っておくと、だいたい、いい意味に解釈していただけますからね」という独特の三宅流処世術のようです。(注;三宅とは三宅久之氏のこと)242p

★ 人の話を聞くときは、具体性というものが大事なんだ。・・・「具体的な話をしないとダメだ」と最初に教えてくださったのは、遠藤さんでしたね。・・・天国で遠藤さんはきっと呆れていらっしゃることでしょう。何の役にも立たなかった対談アシスタントが、まさかインタビューの仕方について、本を出すなんて、世の中変わったなあと、苦笑しておられるかもしれません。252p

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