2013年8月19日月曜日

『なぜ人間は泳ぐのか?』

今朝は湿度が高い。先週の天気予報で今週から気温も高いのに加えて湿度も高くなる、は当たっている。これじゃ、ますます暑さが体にこたえる。 

昨日、お墓から帰り、シャワーを浴びてゆっくりしていると突然の来客がある。姪が3人のチビを連れて我が家にやって来た。 前回はいつ会っただろうか。ちょっと会わないうちに皆、大きくなっている。以前の落ち着きのなさも薄らいでいる。

一番小さいチビはまだ体も小さい。母である姪は「頭ばかり大きくて体が小さいでしょ?体重は14キロ」とチビに向かって話している。

そのチビが、突然、巻き舌で「トルゥトルゥトルゥ・・・」と音を出す。これはスペイン語の“R”の発音を学ぶ時、練習するように言われたこと。未だにその巻き舌が出来ない。

 チビに「すごい!スペイン語を学ぼう!」と話すと得意な顔をする。これをみると余計か わいい。下の2人のチビはできるが上のチビは出来ないらしい。

以下はいつもの如く、図書館で借りて読んだ本である。『なぜ人間は泳ぐのか?水泳をめぐる歴史、現在、未来』(リン・シェール 高月園子訳 太田出版、2013年)。

本の裏表紙には「歴史を通じて、水泳ほど親しまれているスポーツはないだろう。人間をとらえて離さないその魅力はどこにあるのか?水中に身を置く深い喜びはどここから来るのか?なによりも泳ぐことを愛し、69歳でダーダネルス海峡の横断泳に挑戦した著者が、水泳をめぐる歴史、科学、文化などあらゆる面を考察。軽快な語りとともに紺碧の海へと誘う脅威に満ちたヒストリー」とある。

筆者ほどの水泳に対する気負いはない。だが、泳げるようになって運動の楽しみを初めて知ったモノとして、ここに書いてあることは私にとってのまさにバイブル。またいつものように気になる箇所を記そう。

・水泳は私の救世主だ。真冬に、またはとりわけ忙しい一日の終わりに、またはコンピュータの画面に長時間向かったあとに、どこにいたいかって?答えはいつも同じ。水の中。11p

・水泳は地上での限界を超えて体をストレッチさせ、あらゆる痛みをやわらげ、すべての筋肉をほぐしてくれる。しかし、それはまた内面への旅でもあり、敵意に満ちていると同時に慣れ親しんでもいる水の分子に包まれて、心おだやかになり、人の声や現代生活の妨害から解放されることでもある。新たな可能性に思いを寄せ、問題を解決できる気に―解決したいという気に―させてくれる。なんといっても、わたしは魚座なのだ。11p

・水泳は精神を集中させ、心を深い思考に導く。そして大きな夢を見させてくれる。14p

・本書は泳ぐこととそれがわたしたちの人生にもたらす恩恵への賛歌である。18p

・平泳ぎを例外として、水泳では脚より腕が重要で、全パワーの八〇パーセントが腕から供給される。21p

・水泳は古代ギリシャの文化に深く組み込まれていたため、プラトンは「無知な人とは、文字も読めなければ、泳ぐこともできない人である」という、紀元前三六〇年にはよく知られていた諺を引用している。26p

・水泳は若者を英雄に変えた。ローマ時代の貴族は男らしい技能の一つとして泳ぎ方を教えた。27p

・水泳はまた武術の一つでもあった。28p

・ローマでは水泳が武勇のシンボルとして、また尊敬の対象として人々の会話にのぼっていた。31p

・中世には水泳は軍事的な機能に移行した。33p

・一五八七年、聖職者で哲学者でもあるエヴァラード・ディグビー牧師が、水泳を「無知の深淵と忘却の粉塵から救う」ために、『泳法について』という小さな教本を著わした。・・・近代において初めて水泳が、スポーツ、技能、リクレーション、つまり“楽しみ”のために、すなわち単に敵を撃退するためではなく、それ自体を目的に行うものとして教えられたのだ。34p

・水中にいる熟達したスイマーは、最も素晴らしい運動から最も完璧な喜びを享受し、最も幸せな精神状態にある、最も幸福な人間に分類される。70p

・健康
運動の中では水泳が最良だ
筋肉と胸部を強化し
肉の部分を引き締める
脚と腕を広げ、伸ばし、
素早い反動で
縮めて、戻す
最良であると同時に
それにはすべての運動が入っている
そして最も完結している
それは、競わずして激しい運動であるからだ
―エドワード・ベナード医師の詩『健康』より、一七六四年

・水泳は究極の自力本願スポーツだ。他のスポーツではみんな助けになる何かを手にしている・・・・水泳においては用具の不具合は、すなわち、体のどこかが壊れたことを意味する。79p

・水泳教室で習う前によく見られる泳ぎかたで、明らかに水の中を這って(クロール)進んでいるように見えるという理由から、オーストラリアの水泳チャンピオン、チャールズ・スティードマンはこれを「クロール」と呼んだ。91p

・スイミングは「歳を取ることに価値を見出してもらえる唯一の場所」。140p

・生涯にわたって泳ぐことを愛した毛(沢東)は(「きみは水泳をするか?水はいいぞ」と言ったそうだ)・・・・175p

・屋内スイマーを楽にする新しい道具がいろいろ出ているにもかかわらず、髪の問題を解決してくれた人はいない。塩素は髪から色や艶を奪う。ラテックスは毛包を破壊するだけでなく、わたしたちをどうしようもなく醜く見せる。スイムキャップが改善される見込みはないのだろうか?人間を月に送る技術があれば、素敵なスイムキャップくらい作れるはずだと誰もが思うだろう。ところが、そうはいかないのだ。199p

・泳げ
つらいときにも、とにかく泳げ
世界中が見ているよ
今までがんばってきたのは
ここで挫折するためじゃない

この歌のタイトルは、(泳げ“スイム”)

そう、泳げ
沈んじゃダメだ
ただ地平線を見つけるんだ
きっと、きみが思っているほどは遠くない

これはジャックス・マネキンというバンドを率いる才能豊かな作曲家兼ピアニストのアンドリュウー・マクマホンが、白血病の治療に耐えた恐怖の一年半の後に書いた歌だ。220p

・水泳は実際に自分のためになるし、たぶん、その効用はわたしたちの想像さえ超えている。そして泳げば泳ぐほど、ますます効用は増す。251p

・水泳は手に入る最高の全身マッサージだ。252p

・水には治癒力がある。「不機嫌なアシカ状態で水に入っても、出てくるときはスマイルしているイルカよ」とは、カリフォルニアの耐久スイマー、キャロル・スイングが、一九九九年に当時女性としては最年長(五七歳)のドーバー海峡完泳者になったときの言葉だ。252p

・水泳はいいちばん安価な抗うつ剤で、わたしの知る限り、二番目に有効な睡眠剤。いや、いちばんかもしれない。252p

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