お昼過ぎの部屋の気温27度、湿度43%と電波時計は快適を示す。ところが買い物で外に出ると日差しは厳しく暑い。
ラオスから帰って本を読まなくなった。図書館で借りている『ラオスを知るための60章』(菊池陽子 鈴木玲子 阿部健一 明石書店、2010年)も今日で貸し出し期限が切れる。借りてくる本はいつもならすぐに読む。今回は気持が本に向かない。仕方なく、貸し出し延長を申請しに図書館へ行く。
図書館に行くと相変わらず中高年が多い。そこに混じって、中高年の月刊女性誌を見る。今月は黒柳徹子がメインで掲載されている。この人の考え方が好きなので、ザーッと目を通す。その中のインタヴュー部分の見出しを携帯で写す。写しながら書いてあることに納得する。
写した見出しを挙げると、4点ある。
「命の最後まで生き生きとしていたい。そのつどベストを尽くし好奇心を持ち続ける心をもって」
「飽きるということがないんです。リンゴの袋貼りだって、毎日毎日一日中やっても飽きない。そこに楽しみを何か見つけちゃうんです」
「つまらないことを言っても”ああ、面白いね”って喜び合える友達がいていいわよね」
「つきつめて考えないんです。ノンキなのかしら。でもたまに、エミリー・ディキンスンの詩を読んで人生を考えたりするの」
この最後のエミリー・ディキンスンは初めて知る。先ほど図書館にその人の本を予約する。蔵書は2冊あり、そのうちの1冊は『愛と孤独』。黒柳もこの本を読んだのだろうか。
さてラオス。貸し出し延長といってゆっくりしていてはいけない。こちらもザーッと目を通す。何と「第一次インドシナ戦争以降、ラオスが平和だったのはたかだかこの20年間に過ぎない」(124p)とか。
そのためか、やっと治安も落ち着き観光にも力を入れているのだろう。だが、落ち着きを保ちながらも中国からの影響が強まっている。
「ラオスにおける中国の影響は想像以上のスピードで強まったし、それは今でも続いている。中国の行商人が地方農村にもたらした安い衣類は伝統織物や民族衣装を晴れ着や高価な商品に変える一因となり、プラスチックは一部竹藤細工を駆逐した。安いバイクは農山村まで入り込んで、生活圏を一気に広げた。プランテーションや鉱物掘削はラオスの土地や自然自体を大きく改変するもので、それはそれまで自立・自衛・自給的だったラオス農村の人々の生活スタイルをも変えようとしている。一方では地味ではあるが着実な地べたからの民衆の底力で着実に南へ南へと広がっている。」(123p)
ラオスは国連の定義によると最貧国だという。2007、2008年度の一人当たり平均収入は835ドル。数字から言えば最貧国のラオス。だがラオスに行けばそのイメージはない。
それは本を読むと公務員の月収が5000円程度だが、外国人には到底理解できないところで彼らは統計に表れない収入を得、数字以上に余裕のある生活を送っているという。(179-180p)
それには外国からの援助もある。その底辺にラオスに豊富に存在する天然資源や農林産品が今後の日本にとっても価値があるとか。ところがその重要性に気づいているのは日本だけでなく中国・韓国も触手を伸ばしている。
とはいってもラオスは約600万人の人口の国。その小国ラオスは多額の資金と人材を外国から投入されると「来るものは拒まず」の方針で政府は援助を受ける。だが援助供与国間の競争や重複が生じる。それでもラオス政府はそれを制御する調整能力がない。(184p)
それは中国化となっていくのだろうか。
ラオスも中国も社会主義の国。社会主義は宗教を排除する。ところがラオスは早朝に見た僧侶の托鉢風景にもあるように目に見える形での宗教の抑圧はない。その辺りは中国と異なる。そこにはラオスの人民革命党が仏教を国家の文化的アイデンティティとして利用する方向で舵を取り始めていることにある。(222-223p)
こうした党の仏教政策は現在も続き、むしろそれは積極的に仏教を保護して利用している。(223p)
先日のブログで托鉢する僧侶への「布施」と書いたけど物品供与は「喜捨」が正しいらしい。先ほどその箇所を訂正する。
お土産に買って帰ったコーヒー。先ほどスーパーへ行ってコーヒー売り場を見ても日本のコーヒーが安い。月給5000円の国でビールやコーヒーは日本の価格と遜色がない。
本を読むと「1990年代半ばにラオス政府はカティモールの普及とともに民間企業のコーヒー事業参入を奨励し、これをきっかけにティピカとカティモールを中心に品質向上の取り組みと、品質に見合う価格での取引が始まった。現在ではラオスのコーヒー豆の買い付けをリードする大企業が自社農園を経営するほか、NGOやフェアトレードが生産者組合を設立して、『カフェ・クンナパープ(良質なコーヒー)』も生産されている。・・・」(99-100p)とある。
この中の「フェアトレード」、以前アジアを学ぶ勉強会で議題となり、初めてそのキーワードを知る。そのとき日本で何でも安く手にする製品は後進国の恵まれない人たちの犠牲の上に成り立っていると知り驚いた。
他にもたくさんラオスについて知らないことがある。今朝の地元紙を読むと地元の車メーカーが「マツダ、ラオスで販売」と見出しがあり、タイで生産した車をヴィエンチャンで販売することに力を入れるとある。車の販売店はヴィエンチャンで多く見かけた。まだまだ車の数は少ない。
ヴィエンチャンといえば滞在中、九州の「お母さん」にだけ絵葉書を書いた。一昨日電話をすると絵葉書は届いている。話をしていると中国へ行かないようにと忠告される。次回の海外はモロッコ、スリランカを考慮中で中国へは当分行かないつもり。
昨日のフルートのことを忘れている。昨日は前にレッスンする人とアンサンブルをさらう。個人レッスンでは全体合奏を、先生の吹かれるメロディにあわせて自分のパートを吹く。先日のピアノ合わせの日には全体合奏はあまり合っていなかった。折角作ってもらったCD。ここ何日かBGM代わりに流して聞いている。やっと昨日のレッスンでは一回で合った。よかった。ソロの曲もピアノとズレが出るところもあったけど、メトロノームと自分の足でリズムを取って家で練習すると合ってくる。
昨日のレッスンも大丈夫だった。発表会、頑張ろう!
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