2012年4月19日木曜日

「世界へ飛び出して見えたこと」から

一昨日、大学で講演会が開催された。講演者は今、メディアを賑わしている加藤嘉一(よしかず)氏。若干27歳。”中国で最も有名な日本人”と話題の人である。

この人については一緒に中国へ行く女朋友と先日会った際、話が出て初めて知った。この講演会を誘ってくれたのはゼミが一緒だった若い女性からのメールである。

講演者はさすがに時の人だけあり、オーラというか人を魅了する力がある。演台に立っただけで拍手が起きる。会場を見渡すと、大学の学長を始めとして教師や学生たちで溢れている。会場が、ホールでなく一番大きな教室だったので聴衆は五、六百人位いただろうか。今朝の地元紙によると四百人とか。

まあいずれにしても会場一杯の人だった。聴衆は各国からの留学生も多く、講演後の質疑応答では日本語よりも英語、中国語でのやり取りが多かった。これもすべては講演者が3ヶ国語を流暢に操る所以であろう。言葉ですごいと思ったのは日本語の使い方が綺麗ということ。先ず母語をちゃんとして外国語をネイティブに話すことを目指しただけある。その辺りは、青年らしくてすがすがしい!

彼の底辺にはハングリー精神がある。話の中で家が貧しかった、父が早世した、下に妹弟がいるなど、この時代、若い人なのに金銭的に苦労して育っている。生まれは伊豆。閉塞感ある地からとにかく外へ飛び出したかった。しかし、人並みに憧れた欧米には金銭的に困難を伴い断念。そこから目指した外国が中国だった。

とはいっても、ともかく「成功」したかに見える中国から今年の8月にはシフトを移してハーバード大学へ出かける。何と言っても彼はまだ若い。この先には、まだまだチャンスが待っている。

彼がなぜ中国へ行くようになったのかを5点挙げている。
1 3歳のときに怪我をした(生死観)
2 外に目を向ける(世界観)
3 駅伝をやっていて体力がある(自己管理)
4 人生の節目に理解者がいた(価値観)
5 背中を押してくれる家族がいた(家族)

中学3年で早くもオーストラリアへ単身出かける。その後、お金、友だち、中国語ができない、の消去法で中国語を目指す。それは生存→成長→幸福のシナリオだとか。

語学の勉強は身近なことから始めるのがいいらしい。彼は中国へ行き、町でモノを売ってるオバチャンと一日8時間話し、ラジオを聴いて耳を鍛え、新聞を読んで理解したという。

2005年、彼は転機を迎える。中国で学んで2年足らずのとき、国際関係学院でメディアのオピニオンになる。2011年、中国の百の大学を講演する。その間、日本は中国で理解されてないと知る。そして彼自身も中国で8年暮らすうち、自身のアイデンティティについて考える。自然と日本への愛国心が芽生えていく。

よく外国で名をあげた人は自国を悪く言う。しかし、彼は、この点が偉い!決して日本を悪く言わない。日本は外に出てみて初めて良い国とわかるだろう。だからこそ、演題にあるように世界へ飛び出して・・・、と言う。このことこそが講演会開催の意図だろう。

彼は愛国心は国際人と表裏一体となるという。日本人としてのアイデンティティとして国際社会に通じる人間になれという。井の中の蛙ではいけない、外へ出ようと。

それには今しかない。何故か?それを3点述べている。
1 時間と感謝・・・日本人は先人の力により、ビザなしでどこへも行けるじゃないか
2 ローリスク、ハイリターン・・・円高の今行かずにいつ行くのか(留学、観光)
3 名前で勝負しよう・・・肩書きで外国では判断されない

外国で勝負するために彼は1分間で自己紹介が言えるようにしようという。名前、出身、今やってること、これからやること、困っていること等の紹介である。

彼は8月にハーバードで研究員になる。自分自身がブランドとなれるよう自らの名前で勝負しようと、呼びかける。

どんな成功者も、一生、第一線で走り続ける人はいない。そういう意味で、その前例を打ち破ってアメリカでも成功して欲しい!

もう一つ忘れていた。彼は「攻撃は最大の防御」だという。だから、話をする場合、まずは話す相手を持ち上げて後で責め続けて批判する。これは彼一流の戦略なのか。これを聞いたとき、少々びっくり!そして何もかも現場主義。問題があれば「だったらお前がやれ!」と。

そして現場主義者は非日常の空間に持っていく「旅」に出よう、と呼びかける。

講演会の模様はとうぜん日本語でメモした。ところが講演者は聞いている言語でない文字でメモせよという。

昨夜電話で一緒に旅行する女朋友にこの人の話をした。女朋友はこの人の本を読んでいる。この話の続きは、近いうち旅行の「出陣式」でしよう、ということになった。旅行と言えば、女朋友は、共通の知り合いである中国〇〇大学の教師夫妻と会う約束のTELとメールをしてくれている。しかし、その連絡は中国が言論の自由がないのか、なかなか通じないらしい。それでも、あれこれ考えてやっと一部の電話と一部のメールは送受信できたという。

Xiao Chi ,小姐、非常感謝! 「菜香楼」での出陣式、楽しみです!長年の夢がやっと実現するね!Naさん、Zhenさんと中国成都で会う夢が・・・。

Xiao Chi 小姐曰く、外国への旅は「短期留学」と。これから私もその意気込みで外国へ行こう!

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