『楽老のすすめ すぐ実行できる愉しい老年パワー』(多胡輝 海竜社、2011年)を読んだ。
著者はずいぶん前『頭の体操』で一世を風靡している。失礼ながらもう亡くなられたと思っていた。ところが著者は85歳で健在。
「自由な分、自分で老後の人生をデザインしていかなければなりません。・・・他人の目や世間の常識など気にしないことです。・・・こだわりのある生き方こそ、年配者の最大の財産なのです。」(27p)とある。この本の凝縮された内容であろう。
「まず動く」ことをあげ、「まず始めてみることによって、始める前にはわからなかったことが、いろいろわかってくる」(47p)という。
それには「好奇心」。「年をとるということは、若いときにやりたかったことを思いきりやれる自由を手に入れたことを意味しているのです。」(61p)
言われてみれば、今やってることは子供の頃できなかったことばかり。楽器、水泳、自転車など一般の人は子供の頃にやっている。何もかも人より遅れてのスタートだ。
こうなると、ふと、他にもできることがあるのではないかと興味がわいて来る。
著者は年とともに自分の努力次第で、絶対に失わずにすむものが、一つだけあるという。それは「夢見る力」(65p)。
「人間の潜在能力は、いくつになっても掘り起こせるものです。必要なのは、それを実行に移す意志なのです。」(70p)
77歳で宇宙へ行ったジョン・グレンの言葉を引用して「『夢は子供だけのものではない。いくつになっても、やりたいことがあるのなら、周りがなんといおうとやればいい』つまり『いい年をして』の『いい年』とは、何をしても『いい年』と思えばいいのです。」(79p)と述べている。
やりたい夢も「実現するかどうかでなく、思い描くことこそ意義があるのです。」(85p)と。それは馬鹿げた夢物語でもいいらしい。
「国際化」と巷で言われて久しい。著者は「国際化」から「国際老人」へという。(103p)
「本当の国際人とは、マスコミ報道のみで判断するのではなく、かの国のさまざまな側面を知っている人間をいうのです。」(105p)
「国際老人」になるために著者は「海外旅行をするとき、必ず出かける先の国の簡単な言葉を学ぶことです。」、「言葉は、話せることに価値があるのではなく、どれだけ話したい中身を持っているかだ、とよく言われています。」(105p)
これまで海外に出かける前に少しはその国の言葉を習ったことがある。行き先の言葉を学べばさらにその国について理解も深まってくる。また、現地の人と拙い言葉ながらも会話する楽しみも増していく。
著者は「『やりたこと』があるうちは『老』後にならない」という。(150p)まだまだやりたいことが残っている。そういう意味では「老」後でないと勝手に解釈。著者の言うように楽しい「楽老」生活を送ろう!そして今日も元気を出してこれから図書館へ行こう!
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