2011年7月30日土曜日

「悲しみに寄り添うということ」

先ほど何気なくTVを見ていたら伊集院静が出ていた。テレビのタイトルは「悲しみに寄り添うということ」。NHK総合のホリデーインタビューである。

まず伊集院の仙台でのサイン会の模様が映し出される。そしてこのたびの震災で元気をなくしている人たちにサインをしながら一人ひとりに声をかける。

震災による人を亡くすという喪失もある。伊集院は自らの2番目の妻を亡くすという喪失についても語っていた。そのときギャンブルと酒に救いを求め、今の自分があるという。特にギャンブルについては尊敬する色川武大について多くを語る。

悲しみのどん底で伊集院は色川からギャンブルや旅行などに誘われる。20歳も年齢差がある色川を先生と慕う。だが色川は決して人を見下さない物言いだった。ともに行動するうち小説を書くことの意義を見出す。

色川とのことは『いねむり先生』という小説になる。

その小説についてのインタビューでは悲しみに出会うことは「幸(さち)」になる。そして小説を読むことで「悲しみを再生させる」ことができる。

伊集院の本はまだ1冊も読んだことがない。

それでも伊集院の読者である著名な人から「僕が大好きな伊集院静さんの本で書かれていた言葉『どんな悲しみにも終わりはあるよ』頑張ってくださいね。」と6月にメールで励ましてもらったことがある。

もしかしたらその言葉はこの『いねむり先生』の中に書かれているのかもしれない。

伊集院は人の悲しみのとき誘ってくれた色川のありがたさをしみじみ語る。

アサちゃんが亡くなってまだ半年も経っていない。その間、知り合いなどからコンサートや食事などいろいろと誘っていただく。その中にスペイン行きを誘ってくれた知人ももちろん含まれる。伊集院のいうように、悲しみの底にいるときいろいろ誘ってくれる人には悲しみを救ってもらえた。おかげで早く元気になれたのかもしれない。そういう人たちに対してほんとうに感謝しなくてはいけない…。

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